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2002年07月31日(水) ランボーの自殺



 ちょっと前、気になるニュースがあった。日本の特殊部隊のランボー達が自殺しているのだ。アメリカの特殊部隊の、グリーンベレー(ランボーはここ)や、シール(チャーリーシーン主演の映画で有名)、デルタフォースとはちょっと違うけれど、屈強の男たちがあっさり自殺してしまっている。

 今回立て続けに三人も自殺している。過去自衛隊だけで1997年からこっち、実に200人以上が自殺している。今回の事件も、陸自唯一の離島防衛専門の特殊部隊であったようだ。九州・沖縄は尖閣諸島や対馬など「国境の島」を数多く抱えるため、西部方面隊の直轄部隊として師団の枠を超え広範囲に出動する任務がある。
 事件が起こって九州・沖縄を統括する陸自西部方面総監部(熊本市)の調査報告があり、その記事を見て、暗い気持ちになった。その内容は、「調査の結果、訓練が厳し過ぎたとかいじめなど組織運営上の問題はなかった。明確な原因は分からない」と。大の大人社会で、いじめという言葉を使うこと自体どうかしている。それに、命を投げ出すような特殊任務につく男たちに、きつすぎる訓練は当然だろう、命がかかっている。

 ランボーのような古くはベトナム帰り、最近では俗に「アフガン症候群」と言われる症状を呈し、家族を撃ち殺して自殺するというような、平和な自国と修羅場の戦地との間で、精神的バランスが崩れ、おかしくなってそうなると言うならまだわかる。だが、我が特殊部隊隊員は、男女間の事とか、単身赴任の事とかで自殺したらしいのである。これは、巷のサラリーマンと同じ次元なのだ。

 小野田さんが戦後何十年経って戦争が終わっていても任務遂行のために、とにかく生き抜いて帰還した事が過去にあった。普通は任務遂行のためにあらゆる手段を講じて生きぬくものだ。そう鍛えられるものだろう。
それが、あっさり自殺してしまう。おそらく、日本の近現代史にあまりに無知な所から、国の誇りとか、国を守る意味など考えもせず、安定した収入が得られると言ったサラリーマン意識で入隊して来るのだろう。その証拠に託児所を設けている所があるという。子を預けてまで自衛隊に勤務するとは、見上げた根性と思いたいが、我が子を預けて非常時に出動して、帰ってこられなかった場合誰が面倒見るのだ。男女雇用機会均等法を軍隊に適用するな!

全く市井の会社と同じように見ているとしか思えない。そういう意識で入っていれば当然、なんでこんなに辛いんだろうとか、耐えられないとか思ってしまうに違いないのだ。だから簡単に自殺する。

大東亜戦争末期、国のために死んで行った、若い特攻隊の人達を思い出してくれ。彼等は一つしかない命を国のために使った。遺書を読むと涙が出てくる。本当のところは死にたくなかったかも知れない。が、白人社会にはない特攻という自己犠牲で、今日日本が世界に一目置かれているのはそういうことも含んでいる。自分の事で、一つしかない命を自殺と言う方法で捨てる前に、今生きている私達のために、自ら進んで命を絶った人の事を思い浮かべてほしい。自分たちは選ばれた特殊部隊の一員だという誇りを持って欲しいものだ。

 (小野田寛郎元少尉。フィリピン・ルバング島の元日本兵・小野田さんは、度重なる捜索隊の呼びかけにも応じず、戦時の命令に従って戦後三十年間“作戦”を遂行し続けていた。)










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