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2001年11月23日(金) 中世の音色



ネットオークションで、アルトリコーダー (木製 ドイツSchreiber)を手に入れた。木製のは前から欲しかったのだけれど、ちょっと気ままに吹くには高価すぎて手が出なかった。勝手なもので、自分にとって一番興味あるものに対しては、同じ金額でもまったく気にならないことが、二番三番目の興味対象となると、途端に消極的になる。

 木製のリコーダーは手間が大変だ。多分30年くらい吹かずに眠っていただろうこのリコーダー、まったく音が出ない。やっぱり小学校時代に使ったアルトリコーダー(40年位前)と音を比べてもまったく出ていない。
そこで、さらっぴんをおろすときと同じように、まず、人肌に暖めてから、毎日、15分吹いては止めのアイドリングをしている。かなり枯れているので、内側に、リンシードオイルを薄く塗った。

 これで、まだ王がKingでなく、Rexと呼ばれていた頃の中世西洋の曲を一人もさもさと吹く。そうすると、乾いてなんだかとても寂しいけれど、日本にはない感覚になる。これがいい。木は暖まってくると、なんともいえない柔らかな音色になる。プラスチックは何時間でも同じ感じでふけるけれど、それでは味の素だ。いつでもどこでも同じ味。
 木のリコーダーは二時間以上吹くと木が湿りそれ以上吹くと壊れる??ので、止めなければならない。そこがまた生き物のようで楽しい。
この楽器は元いくら位のものか知らない。安物かも知れないが、あんまりそう言うことには興味なく、これから、継ぎの所に、糸を巻き、蜜蝋で止めて、修理した後、どういう音が出るのかが楽しみだ。
もし納得いかなければ再びオークション行きになるかも知れない。
de Feschのリコーダーソナタト長調 を吹きたいと思っているのだけど、道は険しい。

その昔、リコーダーで、山中、熊に出会ったとき、笛部だけを取り出し、思い切り吹いて、子連れの月の輪熊を追っ払ったことがある。










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