■TRASH■

2003年01月21日(火) チョコボに乗った日その2

たとえば免許。
あるいは結婚・出産に受験。

躊躇するような金と手間と時間と苦痛や緊張を伴い、かつ時候やら偶然やら、めまいがするほどの条件をクリアしないといけない筈なのに、それをこなしている人のなんと多いことなんだろう。

自分一人が頑張ったところで、どうにもならないことだってあった筈なのに、巷には溢れるほどの車が走り、大安で土日の式場はSOLDOUTで、毎日どこかしらで新しい命が芽生えている。

全てはその果てにある喜びのため。
しかし到達の喜びは、何故こうも急激に失われてしまうのだろう。
その防備録として残そうと思ったこの「チョコボに乗った日」の日記も、既に前編を書いてから2週間も立ってしまいました。

記憶力が大変に危険が危ないわたくし。
(毎日DHAを摂取しておりますが、にわとりに負けず劣らずです)
なんとか思いだして連ねます。
お暇な方は、どうぞお付き合いください。

大仰に始まりましたが、まぁ、いわゆるゲームの話です。
FFXI。
オンラインロールプレイングゲーム。

その辺を前情報としてよろしくお願いします。

さてさてレベルが20になり、とうとうチョコボに乗るための大前提をクリアした、FFXIの舞台であるヴァナ・ディールのわたしは、試験会場であるジュノへと旅立ちました。

そこへの道は危険がいっぱいです。
敵に見つかったなら、冥土へ直行です。
それにそもそも黒魔導師です。
たいていのゲームで防御力最弱です。

重いものなんて杖くらいしか持ったことありませーんというようなよわっちろい体に、纏うことが出来るのはローブのみ。
鎧では呪文の詠唱の妨げになるとか、鉄を身につけると精霊の協力を得られないとか、そんな設定があるにしろないにしろ、とにかく行くしかないのです。
どのみち屈強な戦士だろうが魔導師だろうが、一撃かニ撃かの違いです。

サボテンと岩のメリファト山地を抜け、ソロムグ原野へ。
細い道を抜けると、そこにはまるで悪い冗談のような終末の風景。
くず折れその機能をなさない塔が林立し、荒れ果てた大地には獣人が跋扈する。

人影は見当たらず、思わず息を潜めてしまいます。
敵と闘わないことを前提としたゲームなんて、久しぶりです。
TRPGなら、余計な戦闘をしないのはアタリマエでした。
D&Dなら持ちかえったお宝が経験値となり、SWなら、イベントをクリアするために倒すことが必要な敵のレベル×いくつというような計算となり、いくらレベルの高い敵を倒したところで、それがそのミッションクリアに必要な敵でなければ、それは経験値にはなりません。

まさしくここの敵はそんな敵です。

岩陰を見つけるたびに、そこに潜んで前後左右を確認し、
遠く先に敵の影を見つけたのなら、崖を降りてやりすごしたり。

昼間は目の悪いゴブリンの、視界ぎりぎりを通過してみたり、
3方をはばまれて、じっと機会をうかがったり、
進み始めたら急には止まれないという敵が動き出すのと同時に進んだり。

なにせ3Dです。
背後はほとんど見えません。

どんなに気をつけても、急に後ろから襲われることもあります。
(実際仲間が一人それで命を落としています)

普通のゲームと違って、リセットでやり直しは出来ません。
でも、どこか心地良い緊張。

遠くにあった影が、少しずつ大きくなってきます。
こちらにヤグードと呼ばれる鳥のような獣人が向かっているのでした。
右にはゴブリン、後ろにはさっきやり過ごした茶色い幽霊。

塔の影に身を潜め、ヤグードの進行方向を把握します。
入り口が崩れて入れない塔を軸にして、ぐるっと回ってなんとかやり過ごすことに成功。

どうやら気づかれずに切りぬけることが出来たようでした。
胸を撫で下ろして、急いでその場所を離れ、次の物陰で地図を確認します。
地図を見ている間は、辺りはぼんやりとしか見えないし、周りを見ることも出来ないので、それすら命がけです。
平原の出口まで後少し。

出口に続く道は何箇所かあり、それを何度か間違えながらも走ります。
ジュノの街の門が見えてくる。

心配して出迎えに来てくれた旦那が手を振る。
敵は見当たらない。

急いで町に入る。
エリアが切り替わる。

そこは、あの厳しい荒野からは考えられないほど明るく整った街。
ようやく、ジュノへ着くことが出来たのでした。
大きな港、沢山の人。
道は石造りで、階段を上った上には沢山の店が並ぶ。

とにかく落ち着く前に、チョコボの元へ。
ヴァナディール時間で最低4日。リアル時間で4時間以上かかる、チョコボイベントをこなすためでした。


そこらへんは中略。

イベントを終了することによりチョコボと信頼関係を作り、その結果として「チョコボ免許証」をもらいました。
これで厩舎からチョコボを借り、人の足の何倍もの速さで土を蹴って走ることが出来ようになったのです。

すでに到着していた4人と、チョコボにまたがり、凱旋帰還。
視線が高い。
それに、なにより早い。
苦労した荒野を驚くような速さで突っ切り、敵の脇を抜け、山を越えて一路はるかなる故郷のウィンダスへ。

仲間と口々に「早いね」と言い合う。
言い合えることがなにより嬉しいし、みんなと一緒にイベントを終わらせられたのがなにより嬉しかったのでした。
(次の日は祝日だったんだけど、わたしは休日出勤だったのです^^;)

こうして、チョコボクエストが終わったのでした。


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