「金樽を空しく月に対せしむることなかれ」 2009年08月03日(月)

己の意志で動けるのは今しかない。

時が流れ逝く限り同じ日は二度となく
どんなに願おうと嘆こうと戻る事はできない。

未来を想おうと未だ手は届かず姿を見る事も出来ず
過去を想おうと眺めるだけで手を加える事はできない。

人は南斗より出でて只管に北斗に向かう道を踏みしめるのみ。

過去が美しいのは、
換える事できぬモノから余雑な色が抜け落ちて
硬質な綺羅のみが鮮やかに残るからだ。

未来を漠然と不安に想うのは
今が楽しく目が眩んでいるからだろう。

けれど、今を楽しめずして生きる意味などありはしない。
苦難あろうと楽しんだ者が勝利者だ。
時々ふと、将来に疑心暗鬼になる。過去の思い出に囚われて先に進みたくなくなる。どうしていつまでもあのままで要られなかったのだろう。大人になんてなりたくなかった。
ソレは臆病者の逃げ口上だと識っているけど。死に向かって進む道を恐ろしく空しく感じてしまう時があるんだ。