2000年12月20日(水)
 『(I Can’t Get No)Satisfaction』 The Rolling Stones (日韓戦)

今の若いこたちからみたら、またバーサンがなんか言ってるよ
ってなもんなんでしょうねぇ・・・。
日韓戦は特別って言ったら、今右翼呼ばわりされちゃうらしいよ。
実際に「本番」で、何度も悔しい思いしてないと
こういう気持ちって共有できないんだよね〜・・・と思いつつ、
今日の日記はアツイっす、久々に、お気楽ではないワタシ。


JFAnewsという日本サッカー協会の機関誌がある。
最近は一般の雑誌同様書店で入手できる、というか
今日国立競技場では「日本最古のサッカー雑誌」とうたっていた。
ちょっとびっくりだ。試合のパンフレットと共に積まれていて、
スタジアムで販売されているのをみるのははじめてだったので
これは何かあるぞ、と手にしたら別冊ふろくで
今世紀の日本代表の全記録集がついていた。

記録集の一番最後に、今日の試合の枠組みがある。

2000.12.20 国立  −  韓国 A
【監督】 フィリップ・トルシエ
【出場選手】
【得点者】

ここと通算成績を自らで記入して、この記録集は完成する。
今夜は、今世紀最後の代表戦。


大仰に言わせて貰うけれど私たちは一緒に成長してきた。
一緒に強くなった。戦ってきたのは一部の選手だけじゃない。
彼らは「私たちの」代表なんだもの。当たり前に夢を共有してきた。

鮮やかに目に焼きついた和司さんの後姿があって
ドーハで韓国に完勝して喜びすぎてしまった私たちがある。
喜びすぎてしまったが故のドーハの悲劇があって、逆転されても
決して俯かず戦って勝ち取ったジョホールバルの歓喜がある。

私たちは歴史の中にいる。
ことサッカーに限ればなんて幸せな時に生まれてきたんだろうって思う。


代表の強化プランでずっと言われてきたことに
ホームではなく、海外の厳しいマッチメイクが必要だ、というのがある。
当然だと思う。

でも今だけは、ちょっとまってよ、という思いがぬぐえない。
みんな忘れてるんじゃない?次の本番の舞台は「ここ」なんだよ?

この機会ならせっかく世界中の強豪国が普段ならあまりにも
遠いこの国に、おそらく喜んで足を運んでくれるのに。
「実際に2002年に戦うこのスタジアムで、下見がてらにどうですか?」
これは、とっても美味しいエサだ。
いや、ただ単に私が試合観たいってのが本心なんだけど
それは置いといて(苦笑)

ごく最近に限って言えば、よいゲームの記憶はブラウン管の中だ。

みるべきところのないJOMO杯
(私的には大好きなロビーとツゥットにはうはうはしていたが)
アジアカップ大丈夫かい!?(汗)
と思っていたら見事に中東でチャンピオンになった。

そりゃわくわくするでしょう、
アジアチャンピオンとして初の国内での試合、相手は韓国、
チケット代だって奮発しちゃうでしょう、
S席、18番入口の後段、私的には一番みやすいところで取れた、
血も騒ぐでしょう。

山本和範という野球選手がいた。
何が好きって、契約切られてバッティングセンターでバイトしながら
チャンスを待ってよみがえったそのハート。
”なんかやってくれそうだ”という空気を纏っていて
チャンスに強かった。ドラという愛称で、
ことダイエーファンにはこの上なく愛された選手だ。
(顔が怖いので女の子には人気がなかった。私は大好きだったけど)

彼がよく口にしていた「極端な話、平和台(福岡)のお客さんの前で
全勝できればいい」って。こういう選手は、愛される。

ホームでは絶対に勝たなければならない、
観客の期待に応えなければならない、そういう気持ち。
すごく当たり前じゃないか、給料を払っているのは
つきつめれば実際に試合を観る客だ。
もっと必死にやれよ(爆)

韓国は歴史の軋轢はもちろん
アジアカップ、オリンピックでのふがいない成績があって
ワールドユースの出場権も逃してしまって
なんとしても、日本に勝ちたかっただろう。
相手のほうが戦うモチベーションが上だったのだろう。

一人多い、という圧倒的優位さをうまくつけたのは数回で
やっぱりミョンボヒョンは尊敬に値する選手だ。凄い。

なんて感心したくないんだよぉ〜・・・
アンジョンファンかっこいい〜〜〜!!!
なんて思うのも別の機会でいいの。

ホームで、相手は韓国なんだよ?ドローで満足すんなよ
テストやってる場合じゃないんだよ、言い訳すんなよ。
今回は内容よりも結果なんだ、
ただのフレンドリーマッチじゃないんだ!!!
・・・という気持ちで戦って欲しかったんだ、
きみがフランス人であっても、私たちの代表を率いている限りは。

今世紀最後の締めくくり、これが妥当な結果なんだろう。
結局審判がくれたアドバンテージも数的優位も
ホームの利も技術もいかせず
その気持ちと身体の強靭さで彼らは私たちの前に立ちふさがる。
私たちは、結局韓国に勝てずに終わったのだ。
世界に出たら私たちの方が上だ、日本の方がいいサッカーをしてる、
そんな自尊心増幅させたって、
直接対決したら五分なんだ、ドローなんだよ。
やっとドローになれただけなんだ。

くやしかった。

友人と食事をして深夜ひとりの部屋に帰ってきてJFAnewsを開いた。
ふろくの記録集に書き足そうとしたら、くやしくて涙がでてきた。

ここ数年、今の若手は変なコンプレックスがなくて
頼もしいなぁと思ってきたけれど、
今夜悔しくて泣いた選手はいるのだろうか・・・。



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