TALES OF ROSES

2009年11月17日(火) 母の記憶




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この人形は 実家の母が私の娘達に作ってくれた物です。
三姉妹のために、三体も作ってくれました。
一体は娘達が遊びすぎてボロボロになり、修理のため
実家にあります。

久々に出して 居間の棚に飾っておきました。
母が遊びに来たらさぞや喜ぶかと思ったからです。

日曜日、M市から遊びに来た母は
それを見つけて、こう言いました。

「あら、このお人形は誰が作ったの??」

最初は母特有の「照れ」かと思ったのです。
でも、何度も、訊ねます。目が本気でした。

私
「何、言ってんの、おかあさんが作ったんでしょ」
母
「いや、私ではない、私は作った覚えがない、絶対違う
 顔の表情が違う、この顔の綿の入れ加減も違う、絶対わたしではない」

大変な押し問答になってしまいました。

長女三女呼んで、遠くの大学の次女にまで写メを送ったり
ちょっと大騒ぎになりました。

夜になって帰宅した母に電話してみたら 実家に一体残った人形と
顔も綿の固さも同じだったそうで、母は、自分が作ったと
納得したようです。

あんなに人形作りに入れ込んで、次から次へ作って喜ばせてくれたのに・・・



母は74歳、超元気者で、弟運転のドライブが大好き、
暇なときは地図を眺めている、という人間です。

「いつかトシをとって、全部忘れてしまったらどうしよう」と
母は 言うけれど
「すべてを忘れてしまったら、その時はもう本人は悩む必要はないんだよー」
と言って
笑い飛ばしました。

笑い飛ばすしかありませんね。


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