TALES OF ROSES

2006年03月27日(月) 旅立つ18才

次女は18、番茶も出花。

その友人Nさんも18才。
彼女は 高校受験前に お母さんをガンで亡くした。
兄弟はなく、お父さんと二人暮らし。

高校は、合格したけれど 中退した。
そして大学を受験して、この春 見事に 東京の6大学のひとつに合格した。

彼女と 携帯のメールでやりとりを続け、ずっと友人だった次女と
Nさんは 2月の夕方 小岩井農場の天体望遠鏡で 土星の輪を見た。

今の時期、輪がよく見えるんだから。という彼女の誘いだった。

望遠鏡の施設には暖房もなく、二人はガタガタふるえながら
土星の輪を見た。

「カッシーニのすきま」という言葉に なぜか感慨を覚えた自分の
18才の時を思い出した。
土星の輪には、隙間があり それを発見したのはカッシーニという
研究者だ。

はるか離れた地球から、土星の輪は一枚の板に見えるが、実は
隙間だらけの板なのだ。

自分が18の時、夕方突然家を訪ねてきて
「サコウ、夕焼けがきれいだよ!」と誘ってくれた友人Wがいた。
その彼女と ささいなことでけんかをし、
お互い意地っ張りだったから、ずっと音信不通だった。

27年過ぎたとき、思い切って「会おう」と手紙を出した。
東京駅の中央線のホームのはじっこが 待ち合わせ場所で、
彼女の姿が 見えた時から、涙は止まらなかった。

「夕焼けを見に行こう」と誘ってくれた時から こいつのことは
一生好きでいるんだろう、と思った。

それなのに、27年も空白を作ってしまった。
27年分老けた二人は、中央線のホームの片隅でしばらく泣いた。



今日、次女の友人Nさんは、自作の歌を録音してテープにしてくれた。
作詞作曲、ピアノ、パソコンによる打ち込み、ボーカル、
すべて一人で作ったプロ顔負けの歌だった。
そこらのFMのレピュテーションカットより数段うまい。

次女は、その歌と交換で 一枚の絵を描いた。
次女ももちろんパソコンで 最新のフォトショップCSを駆使した
天体観測をする人の絵だった。

18才が みんなみんな旅立つ時。


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