TALES OF ROSES

2005年06月27日(月) 秘湯の旅、その2


八甲田近くの湿原のミズバショウ



「テン」は、イタチの仲間で、
うちの娘達の一番大事なぬいぐるみの「オコジョ」を 
首から下を茶色にして、手足を黒く染めた生き物だ。

色味は あのラスカルみたいな感じ。
愛らしい画像が、旅館の食堂のビデオで繰り返し流れた。

が、よく見ると、画像は 動画ではなく
「テン」のアップ、
 雪の中の「テン」の全身像、
 温泉周辺の地図、
の3枚だけで
それが繰り返し繰り返し延々と画面が切り替わるだけだった。

食堂は 家族連れ、夫婦連れ、グループ、たくさんの人だった。
温泉の浴衣を着て 座布団の隙間もなく 
みんな窮屈そうに座敷に座っていた。

給仕のおばちゃんが二人、
「今日は、満館!もうシッチャカメッチャカなんですよお。」と
大きい声で あちこちに料理をせっせと運んでいた。

「シッチャカメッチャカ」という言葉も、久しく聞かない、
すでに死語の部類に入るのだろうが、こんな山奥で
まだ息づいているのだなあ、と 感慨深い。

そのおばちゃんは、元気で明るく働いてらっしゃったが、
お腰の曲がり具合からは、どう見ても、私の母よりご年配。
70過ぎ。。もしかしたら80近い??

混んでいるので、熱燗を頼んだ夫が 忘れられている。

夫が おそるおそる「あのお、さっき熱燗を・・」と言うと、

おばちゃん
「あっさっきから、何か頼まれたような気がしてたんだよねえ、
 すみません、すみません!」

夫「あのーヒヤでもいいですが・・」

おばちゃんは
「はいっ」と 返事より早く、約2秒で 手近の冷蔵庫の冷酒を差し出した。
素早さは、せめてものお詫びの誠意でしょうか。

「山菜の天ぷらが出ますから、ゆっくり召し上がって下さいねえ」と
あっちでもこっちでも 声かけている。。

まず 目の前のお造りに箸を伸ばした。
美味しかった。

それが何の魚か、海育ちの私にも 夫にもわからず、おばちゃんに訊ねた。

「それはイワナですよお」明るい返事が返ってきた。


                          つづく

客室へあがる階段


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