詐称。
朝一番に、ミニーちゃんがすっ飛んできた。
「ミチヨさん、来ました、来ましたよ!」と。
誰が来たかというと、退院して2年が経つのに一度も入院費を 支払っていない患者さん。どのくらいの金額かというと、 函館→韓国3泊4日の旅が8回くらい楽しめるくらいの金額。
家には電話がなく、携帯はあったが解約され、とにかく連絡が つかなかった。家族には連絡がつくのだけど、本人とは全く 話せていない状況だったのだ。
その患者さんが、今日来たと!
すぐさま課長に報告。そういう悪質な患者さんには、わたし たちペーペーが何を言っても功がないので、上司からムキっ! と言ってもらおうという算段だ。
いよいよ課長との一騎打ち。
っが、その患者さんは、「本人じゃない!」との一点張り。 私は頼まれて薬を取りにきただけだと。 本人ではないから全くわからない。本人に伝えますと。
普通なら、そこで「あ、そうですか」になるのだけど、 そうは問屋が卸さなかった。
受付にいるミニーちゃんは、その患者さんの顔を覚えていた。 本人に間違いないと思いますと断言。けれどちょっと弱い。
っが!
なんともう1人の受付嬢Aちゃんの眼光がキラリ。
「あの方、うちのお隣さんですっ!」
「えっ!!!!!Σ( ̄Д ̄‖)」←ミチヨ。
「本人っ??」←ミチヨ。
「本人、本人、間違いありませんっ!(*`Д´)ノ」←A嬢。
すかさず課長に報告。本人ですと。 …が、ここがサービス業の悲しいところで、患者本人が違うと 言っているのに激しく問い詰めることはできない。 しかも「今度、本人を連れてきますから」とまで言うのだ。 本人だとすっかりバレているのに。
どうしてそんな嘘をつくのだろう。 本人でなければなにをしてもいいってことか?
入院費を払えないなら、その事情をきちんと説明し、少しずつ でも支払うという誠意を見せてくれたっていいじゃないか。 身包み剥がすような、そんなことはしないよ、うちの病院は。
他人になりすましたって、ボロは必ず出る。 完璧に偽れる自信も技量もないなら、詐称なんてしなきゃいいのに。 事実は消えない。自分は自分でしかないのになぁ。
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