CORKSCREW Diaries(米国編) |
夜行バスは5時半に京都駅八条口に到着した。 予定より30分早かった。 こう言うのは早ければ早いほうが嬉しいものだ。 告別式が始まるのは12時だから目一杯仮眠を取った。 あちこちからすすり泣きが聞こえる。 夜行バスであまり寝られなかったせいもあり、 アタマがうすぼんやりとした状態で、 カラダはふらふらしたまま、僕は参列した。 遺影を見て初めて実感が湧いた。 いや、それでも信じられなかったと言うべきだろうか。 遺影に写っている彼の姿は大変良い笑顔をしている。 写真写りだけは本当に良かったからなあなんてことを思いながら、 彼はもう二度と写真に撮られることはないのだ。 最後のお別れになって、 初めて遺体と対面した。 変わり果てた姿がそこにはあった。 何と言うことだ。 彼は30のまま永遠に歳を取らない。 もうすぐ誕生日だったのに。 30なんてオッサンだなんて人は言うが、 死ぬにはとても若すぎる。 さすがに涙が止まらなくなった。 これでもう永遠のお別れなんだ。 なんてこったい。 病院で一緒に働いていた「仲間」ってのは、 とても貴重で、 なかなかもう一堂に会することは少ないその仲間が、 この日は集まったんだけど、 こういう場所で集まらざるを得ないというのが、 とてもたまらなく悲しかった。 「こんな悲しい葬式はない」 と元上司は言っていたけど、 若い命が失われるほど辛く悲しいことはない。 ああ、だからやはり、生き残った僕らは、 彼の分まで精一杯、後悔の無いように生き続けなければならないんだ。 |