CORKSCREW Diaries(米国編)
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2004年02月27日(金) Making the Road


理系に進んでおくべきだったかも知れない、
なんて思うことも良くある。
数学は苦手でそして歴史がとても好きだったから、
進むべき道は自ずと文系にしてしまったが、
自分の適正は技術者にこそ向いていたのではないかとも思ったりする。
30を前にして何言ってんだ。
けれども目の前の道は未だ開かれてはいない。

僕らはこういう風に後悔して、
道を選択して、そして道を創っていくのだろう。
選択肢はいくつだってあったはずなのに、
それはいつの間にか狭められ、
可能性は小さくなりそして消えていく。
あのとき別の選択をしていれば、また違った人生を歩んでいたかも知れない。
ゲームではないがフラグを立てながら生きていると言える。


まあそんなことが書きたかったんじゃ無くって、

今更ながらに文藝春秋を買って読んだ。
僕もかなりミーハーだ。
芥川賞のときに僕はかなりふにゃけたことを書いているが、
実際に読んでみるとまた感想は変わるもので、
正直僕は「蹴りたい背中」の方が読みたくって先に読んだのだが、
おもしろかったのは「蛇にピアス」の方だった。
ピアスとか入れ墨とかえぐいこと書いてるけど引き込まれる。
そこには僕が現在感じている虚しさと同様の物がある。
「ソープで働いてでも生きてやるってのと、
 ソープで働くくらいだったら死んだ方がまし」
僕なら後者を選ぶだろう。
なんて言うか、別に共感したい訳じゃないけど似ている。
今の自分を笑い飛ばしてしまうことすら出来ないところも。

リストカットってのは確かに案外自分自身を確認するためにするのかも知れない。
そんなことを思った。
やったことはないけれども。
ものごとをもっとシンプルに考えなさい。
って人は言うけれども、僕には出来ない。
それが一生続くのか何処かでとまるのかも分からない。

「蹴りたい背中」のことも書きたかったけど、また今度。
これはこれでおもしろかった。
綿矢りさの書く文章は、新鮮な野菜をかじるときのような歯ごたえがあって、
読んでいてとても楽しい。
確かに狭い世界かも知れないけれども、
だからどうしたってんだ。


しかし何となく芥川賞ってのは結構読むには敷居が高い気がしたんだけどね。
話題作りと言われても仕方はないかも。
作品に実力が不足しているとかそんなことは決して思わないのだが。
あまりにも話題だけが今回は先行しちゃった気はする。
まあ多くの人に読まれる結果になったってのはいいと思う。
そして安く本が買えたのは何よりも嬉しかったりする。






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