CORKSCREW Diaries(米国編)
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2003年08月22日(金) 終わりの始まり


ハードカバーの本なんて高くて買ってらんない!
なんて意識は昔っから有る訳で、
そんな訳でこの人に海辺のカフカを半年も借りっぱなしという暴挙に出てしまったりするわけです。ごめんなさい。さすがにもう返したけど。
誌上にて御礼申し上げます。

ま、そんな訳で気難しいことで有名なありがセンセの部屋に入ったときに、
この「ローマ人の物語」の最新刊を見つけて、
思わず「貸して下さい」と申し出る暴挙快挙にでたのであります。
人間目的の為には何するかわからんもんよね。
上司も同僚も呆気にとられておりました。
だって読みたかったんだもん。
図書館にはあるんだろうけどさ。

え〜今回もまたやはり面白くってですね、
あっという間に読んでしまった訳です。
塩野七生と言う人の書いたこのシリーズでよく書かれているのは、
「メンテナンスの重要性」であり、
どんな完璧なシステムを構築したところで、
使っていくうちに減価償却がなされていくわけで、
その綻びをきちんとメンテナンスしていくことが重要である。
って言う感じですかね。
守成は創業よりも遥かに難し。
たった数十年で滅んでしまった中国の統一王朝だって、数多く有るし、
そう言う所って結局メンテナンス云々よりも皇帝の資質の問題もあったりするんだけどね。

でマルクス・アウレリウスの時代は、
時代そのものが変化してきて、
たとえばゲルマン人の移動の予兆が見られたりするわけです。
その問題を上手く解決することもままならず皇帝は死去、
そして残されたのはバカ息子という状態。
皇帝マルクス・アウレリウスは結構うちにこもるタイプの人みたいで、
なんかそれが非常に他人とは思えなかったね。
非常時の皇帝であるべきではなかったとも思う。
アントニウス・ピウス帝の時にするべきメンテナンスをしなかったのも問題である、
と塩野七生氏は書いてるけど、
まあそれはそうだなあと思いつつ、
たった数十年でも戦争の無い平和を享受できたのなら、
それはそれでいいのではないのかなあ、と思う。
勿論、いつ来るか分からない困難に備えて帝国全土のメンテナンスを敢行したハドリアヌス帝は、評判は良くなかったのかも知れないけど、
もっと評価されて然るべきであると思うのです。




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