CORKSCREW Diaries(米国編)
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2002年09月07日(土) 宿はなし  北欧旅行記6日目 


8月29日 オスロ 宿はなし

ストックホルムに今日の夕方旅立つ予定で今日は行動予定。
従って、午後までに市内を回ることにする。
本日の予定は国立美術館・博物館・王宮。
これらを午前中に見て、午後からはムンク美術館に行く予定だ。
国立博物館には、かのムンクの「叫び」があるのだ。
これはとりあえず、見とかないと駄目でしょう。

とは言うものの、依然としてストックホルムの宿の問題は解決していない。
その問題さえクリア出来ていれば朝早くからガンガン街歩きに徹することも出来たのだが、
それがあった為、9時まで待機してストックホルムのユース等に電話で予約をしなければならないのだ。
電話で予約! 考えただけでも神経を消耗する。
たぶんあまりいい返事は貰えないだろう、ってのが分かっているだけに辛い。
今井くんに電話してもらうわけにも行かないし・・・。
結局僕が電話することに・・・
しかしやはり3日連続で予約が出来る所はない。
仕方なくズィッケンズダムのユースに今日の夜一日だけ予約を入れた。

ストックホルムはどうかしてる。
なんでこんなに宿が埋まりに埋まっているのだ? 戸惑う我々。
って言うか電話とかしているのはすべて僕だったりするのだが・・・
これだけ断られまくるともうかなり凹む。
果たして行ったのはいいものの宿は無しという事は無いなあ。

かなり不安になる。
宿が無いと言うのはどうしようもない。
とりあえず今日一日の宿を確保しただけマシってもんだけど。
はあ〜、どうも昨日から続くこのリズムの悪さは継続している。
ひょっとして今日の電車も取れなかったりして・・・
チェックアウトは済ませたものの、一応、
「今日もしかしたらもう一晩泊まることになるかもしれないんだけど大丈夫でしょうか?」
と申し出る。
「まあ大丈夫よ」とはフロントの人のお言葉、とりあえずは一安心。
しかしストックホルムのことを聞き出したら彼女は逆ギレし、
「そんなことはインフォメーションに行って聞きなさい、こんな所で聞くな!!」
何打よその対応は。 インフォメーションにも昨日すでに冷たくあしらわれたわ。
どうにもならんし。
と言うか北欧はインフォメーションと言い対応が悪すぎる。
いや、確かにラールダールのご主人みたいに感動的にいい人もいるけどさ〜、
なんなんだよコレ。
と言うか、初めて旅において」と言うものにぶち当たったかもしれない。
今までそういうのに鈍感すぎたと言べきなのだろうか。
かなりぶち切れて、「二度とこんな国来るもんかバカヤロー!」と言うのをかなりこらえて、
(言った所で分からないんだろうけど、言ってしまったらこの旅の価値が消滅してしまう気がした)僕らは街に出た。

「まあどうせ明日からストックホルムやし、ラールダールのご主人みたいにいい人もいたやろ?」
今井くんはかなりなだめてくれたけど、どうにも腹の虫はおさまらない。
あのフロントの女性とは二度と話したくも無い!
とは言え荷物も預けてあるし僕が話すしかないんだろうなあ・・・
こういう時に下手に英語が使えると困る、嫌だ。
北欧に対するイメージがどんどん悪くなって行きそう。



まあそうして気分を取り直してカール・ヨハン通りを歩いて王宮へ。
内部にまで入ることは出来ないのだが王宮内の庭とかは普通に歩けるのだ。
こういう所が北欧の王宮の気さくさってもんかなあ。
まあヨーロッパの歴史の中ではこの辺はどうしても中心では無かったと言うのもあるのかもしれないね。
でも写真は撮ってみるものの、さすがに自分を入れて撮影する気にはなれない。
どうやっても不機嫌な顔になるのは避けられそうにないからだ。
まあ王宮と言っても外見だけで当然の如く内部に入れる訳ではなく、すぐに引き返す。

宿の予約の電話の関係で時間は大分過ぎてしまった。
続いて国立美術館へ。
ここ、入場料、無料である。
さすが国立! 日本とはえらい違い。
まあ日本でも常設展だけだったらそれほど高くないのだけど。
ここの目玉は何と言ってもムンクの「叫び」
その他ムンクの絵画がかなりいっぱい置いてある。
「叫び」は思ったよりも小さな絵だったが、やはり生で見てみるとそれなりに迫力がある。
この後で行くムンク美術館でも思ったのだが、ムンクの絵は分かりやすい。
他の絵画と比べても僕ら素人にでも良く分かった。
しかし芸術って言うのはやっぱり良く分からんね。と今井くんと話しながら思う。
後印象に残ってるのは戦乙女ヴァルキリーの絵ぐらい。後はすっかり忘れてしまった。
まあせっかくだから印象に残ったムンクの絵のポストカードとNational Galleryのトートバッグを買う。
安かったんだよトートバッグ。北欧の物価からは信じられないぐらい。
本当は来年のカレンダーとか欲しかったんだけどあきらめる。


次! 続いて国立博物館へ。
Museumマニアの僕としては行かないわけにはいかないでしょう。
しかもここも、無料!
無料よりいいものはない!(断言)
博物館は美術館よりは面白かった。
エトルリア人の展示とかあったりして、「ローマ人の物語」を読んだ直後の僕にとっては大変興味深い。が、何せ表記は英語。じっくり読むにも限界がある。何ともならずに途中からもうすっ飛ばしまくって終了。じっくり見たらもう少し面白かったのかも知れないけど、我々には時間がないのだよ。


美術館博物館を見たら大分気が落ち着いた。
朝のイヤな事も大分流れ去った。まあ大丈夫。
どうせ今晩にはストックホルムに到着するのだから。
昼からはちょっと郊外まで行って大西洋をパピルスの船で横断したトール・ヘイエルダールの展示があるコンチキ号記念館に行く予定だったけどこの調子じゃ間に合わないな。
なんせもう昼過ぎなんだもん。

昼ご飯はオスロ市内の中華料理でランチを食べた。
72NRK。高いけどまだノルウェー内の物価を考えたらマシな方。
ランチは酢豚だった。
実は僕、酢豚があまり好きじゃなかったりする。
だからどうも損した気分。例によって今井くんは食べて一言「美味い!」ってのたまっていたが、どうも酢豚というのでかなりテンションが下がる僕。ご飯も日本のご飯じゃなくってインディカ米だしなあ。インディカ米はカレーとかチャーハンにすると美味いんだけどやっぱり白ご飯で食べるにはどうも辛いのだ。


と言うことでようやく米の飯を食べることに成功した僕だったのだが、
どうもかなり後悔の残る代物となってしまった。うう。
ま、気分を取り直してオスロ駅までストックホルム行きの切符を買いに行く事にする。
が、ここで大きな罠が。


・・・ストックホルム行きの今日の夕方の席は既に予約で一杯です。
「Full booked.」 冷たく響く言葉。。。
(☆_★)ガーン。マジですかそれ。
ええっ〜。がっくり。と言うことは今日中にストックホルムに行く事は出来ないのね。
仕方なく明日の朝一番の電車の切符を買う。朝の6時発。早すぎる。
不幸中の幸いといえば、またもや国際学生証が役に立って、200クローネ引きでチケットが買えたぐらいだろうか・・・ そんなんどうでもいいから早くストックホルムに行かせてくれ〜!!!!(T_T)
まあしかし冷静に考えたら1人当たり3000円以上の値引きは大きいよな。
と思ったりもするけど。一泊分じゃん。

がしかしもひとつ問題が、
と言うことはあの感じの悪い受付のお姉ちゃんに、
「今晩も泊まりたい」ことをいわなければなんねえじゃん。
もうイヤや〜、あの人とこれ以上交渉するのイヤじゃ。
交渉は今井くんがやってくれ。「無理」。そうだよな〜。
はあ〜。あ、もうそろそろ勤務交代してるかも知れないしな。
うん、それに期待しよう、それに。

そしてとぼとぼと重い足取りを引きずってホテルに戻る我々。
うう、今更どの面下げてあの人の前に顔見せられるんじゃ。
はあ〜。どうも今回の旅はため息が多いなあ。
そして・・・重い足取りを引きずって帰った我々を待っていたのは果たして、
あの女性だった。ガーン。
うう、やっぱりイヤじゃ。今井くん交渉してよ〜。
「ムリ」
やっぱり?

仕方なく交渉する。
「電車に乗り遅れちゃったので、出来たらもう一泊したいんだけど」
「出来れば? どうなの? あなた達は泊まりたいの?」
「泊まりたいです」
(なんでこの傷心中の我々(と言うよりも僕)にここまでキツく言うかなこの人。クソっいいよな今井くんはさ〜自分だけ彼女に電話してご機嫌でさ〜)とかとか思いつつ、もう一晩泊まれることになった。
あ、もう一つここはいっておかねばならないことがあったんだった。イヤやけど言おう。
「あの〜、明日の朝起きるの早くてとても朝食食べられそうにないんだけど〜、宿代って朝食代含まれてるでしょ? Discount出来ないの?」
ちょっと面倒くさそうな顔はしたものの、彼女はそれ程怒ることなく答えた。
「お金は今払わなくていいから、またこの後で再チェックインしたときに聞いて。私はもう帰るから、交代でこれから来る人に聞いてもらってよ。」
じゃあそうすることにして、再びオスロの街に出ていくことにする。
ストックホルムのホテルはしょうがない、明日の朝インフォメーションに行く事にしよう。
まあ何とかなるだろう。ストックホルムに着くのはお昼前だし。


と言うことで気を取り直してフェリーに乗ってコンチキ号記念館に行く。
あの辺にはいろいろ博物館とかあって面白そうなのだ。
ホテルから歩いて少しのところに要塞跡があり、そしてその隣に船着き場がある。
船着き場はオスロ市庁の目の前、歩いて15分ぐらいの距離を歩いて向かった。
ちょうど船は出発するぐらいで飛び乗る。
ここから博物館のある地区までは船で20分なのだ。
船に乗っているとオスロと言う街がよく分かる。
ま、正直かなりこの時間はへこんでいて観光どころでは無かったんだったけど。

コンチキ号記念館は面白かった!
自説を証明するためにアフリカ大陸からアメリカ大陸までパピルス船で横断と言うことを敢行したトール・ヘイエルダールの偉業を残すために作られたこの記念館。実際の航海風景なんかを撮影したドキュメンタリーフィルムなんかもあって(これで昔オスカーも取ったらしい)かなり感動。
昔実はヘイエルダールの話を読んだことあるんだよね〜。小学生の頃の話だけど。
小学生版のノンフィクション全集で確か読んだ。
アンコール・ワットの話もこれで読んだんだった。
小学生時の記憶力ってすごいよなあ、と今でも思う。
コンチキ号、あまりにも面白かったので、ポケット英語辞書を持ち出して翻訳しようとしたぐらい!
が今井くんにはどうも今一つだったみたいでソッコ出てしまったようです。
まあ仕方ないか、コンチキ号とかヘイエルダールを知っているか知らないかで全然違ってくるもんね。


ついでにフラム号博物館と言うのにも行ってきたのだがこっちはすぐに出てきてしまった。
ノルウェー語の表記しか無かったんだもん〜。時々日本語の表記もあったけどさ〜。
なんか勿体無かったがこれは仕方が無いよなあ。


ここまで終了して時刻は午後5時。
博物館とかは大体5時で終わってしまうところが多い。ここから歯内中心部まではフェリーで20分かかるし・・・ ムンク美術館もあきらめるしかなあと思ったが、
!!!木曜日は18時まで開館と書いてある。地球の歩き方にだけど。
でも地球の歩き方本当に信用できないことが今回よ〜く分かってしまったし。
もっとインターネットで下調べしておくべきであった、ま、仕方ないんだけど。
でドキドキしながら地下鉄に乗ってムンク美術館に向かう。

・・・果たしてムンク美術館は開いていた。あ〜良かった。
時刻は5時を少し回ったぐらいだった。
そそくさと入場し(またも国際学生証を悪用する、当然の如く)見学する。
ムンク美術館、かなり良かった。
やはりムンクの作品ばかり集められているので、
作品に系統性があって分かりやすい。
と言うか、ムンクの作品自体すごく分かりやすい。
人間の精神世界を良く表現してる。現代人なら誰でも共感出来そうなぐらいね。
「ジェラシー」なんて絵があって、仲良くしている男女を背景にくらーい顔した男が描かれてるの。
何度となく漫画とかで見たような構図だけどおそらくオリジナルはこれやな。たぶん。
しかしなぜか、国立美術館で見た「叫び」がここでもあったような・・・
レセプションでそれについてツッコんだら、
「同じ絵を何枚も描いたのよ」だって。マジですかそれ??
なんでも日本の出光興産はこのムンク美術館に年間「60万」ノルウェークローネ寄付しているらしい。
結構大層な金額だけど、ムンクの絵は確かにすごかった。
これだけの金額を寄付する価値はある。
日本でムンク展をやったらさぞかしはやるに違いない。
ホント、分かりやすいし、ネームヴァリューも高い。
まあやったことは何度もあるのだろうけど、また是非是非。
やったら絶対に見に行きますから。
ムンクの作品についての解説も買えば良かったなあ。
てか買いたかったのだ。日本語版も売ってたし。
重くなりそうだったから泣く泣くあきらめたのだった。



ムンク博物館を出たら午後6時。
と言っても北欧の8月の6時なので外はまだ全然明るい。
しかし今更何処にも行くところもない。ついでに言うとお金も無い。
切符を買うときにオスロでギリギリ過ごせるだけのお金しか残さなかったのだ。全ては計算ずくなのだ。ストックホルムへの鉄道の切符さえ取れてたら・・・だったのだが。
そんな訳ですごすごと一度宿に戻ることにした。昼間に一度戻ったときにはまだ部屋に入れないと言うことだったのだ。もうお金も無いし大した距離でないから歩いて帰る。
オスロの街はいかにもヨーロッパと言う感じの街で、しかし次の日に行くストックホルムに比べたら確かに凡庸なイメージを拭えず。

ホテルに着いたらレセプションの女性は交代していた。
交代した女性は優しそうだった。良かった〜。
朝食を食べられそうにないから値引きして欲しいことを言ったら、「それは出来ないわ」といいながらも、ウィンクしてちょこっとだけディスカウントしてくれた。
うう、優しさが身に染みるなあ。朝の人のこと考えたら。

まあ明日のストックホルムのことはかなり気になるがとりあえずは、晩ご飯を食べて今宵は寝ることにする。もうお金もないし昨日行ったフードコートで。今度こそ迷わずにフライドライスを食べようってことで。
食べたフライドライスは何とも言えず自分が作った方が美味いとまでは言わなかったが、まあ久しぶりにちゃんとした米の飯だし(昼間の酢豚のことはすっかり忘れている)それなりに満足した。長粒種は炒めるとそれなりに美味いのだ。


そしてほぼ一週間ぶりにインターネットを触る。
ここのホテルは何とインターネットサービスがあったのだ。
なんとiMacが置いてあった。物価がアホみたいに高いノルウェーだがなぜかインターネットサービスは30分25NRKとまあまあそれなりにリーズナブルな値段だった。
こんなところでマックに出会うなんて世の中はまだまだウィンドウズ一色って訳でも無いらしい。しかもOSはX。ちと動きが重かった気がするけどまあ気にしない。
北欧では他のところでもかなりマックに出会ってる。ノーベル記念館とかにも思いっきりマックが置いてあった。あそこは受付までマック使ってたよ。米国と日本以外ではマックはほとんど使われていないって言うのは案外嘘なのかも知れない。


ところでストックホルム行きの電車は、朝一の出発って言うのは既に書いたが、
何と午前6時20分発なのだ。早すぎる。
と言うことで今日は早く寝ることにする。
昨日は部屋には我々だけだったのだが、今日はすでに先客がいた。
「ごめん明日の朝僕らはすごく早く起きなきゃダメなんだ、
 ひょっとしたらうるさくて眠りを妨げてしまうかも知れない。」
って言ったら、彼は
「大丈夫俺はDEEP SLEEPERだから」って言った。
ディープスリーパーってすごいコトバだなあ。初めて聞いた。
「深い」の反対って何? って今井くんに聞いたら 「Shallow」だって。
よく知ってるなあ。こっちも初めて聞いたよ。
適当に英語分かるくせに本当にボキャブラリーが無い僕なんです。
と言うことで、今日も寝る!
おやすみなさい。
あ〜明日は安眠できるのかなあ・・・。




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