CORKSCREW Diaries(米国編)
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2001年01月20日(土) デイ・サージャリー


今期一番の寒い日に、僕の鎖骨に埋め込まれたボルトを抜く手術は行われた。思い起こせば一昨年の5月、交通事故で鎖骨を骨折するというところから始まったこの物語。遂に最終章を迎えることになる。

話を知らない人のために、ここまでの経過を軽く紹介しよう。

1999年5月  交通事故で鎖骨を骨折 手術 国家試験一ヶ月前 二週間入院
1999年12月 鎖骨骨折後の形成がどうもうまくいっておらず骨が浮いた状態になってしまう。と言うことで二度目の手術。一週間入院。
2000年2月  術後、1回目の抜釘手術
2001年1月  術後 2回目の抜釘手術

僕の体にはボルトが二本埋め込まれていた。
一つは昨年抜いた。もう一本は骨が固まってからと言うことなので、
今までほっておいたのである。と言うか、術後一年ぐらいが限度と言うことらしい。
まあやっと仕事にも慣れてきた今ぐらいが適当だろう。

手術をするってことは結局上司には言わなかった。
またイヤな顔を見るのもウザいし、先週末は私用で休んでるし。
旅行やライブで休むのはいいんだが、手術とかで休むのはどうも気が引ける。
まあ本末転倒な話だがしょうがない。無理してでも月曜日は行く。
職場で倒れたらそれはそれでドラマチックでいいんじゃないだろうか。
そのときは上司や周りの連中も何にも言わないだろう。
まああんまり人のこと気にしても始まんないんだが。
まあまあ行けるところまでは無理していきたいと思う。
でないと肝心の所で休めなくなるからね。それは避けたい。
肝心なところとは勿論旅行とかライブである。

今回の手術は基本的にはそう大したことはない手術である。
局所麻酔で一時間ぐらいで終了である。
とは言え、自分の体を切られんだから怖い。
まあ時間まではリラックスしていく。
手術は午後1時半からだ。
ちょっと早めに行ったら、すぐに手術服に着替えさせられて、
透視で手術部位を確認、30分ぐらいですぐに手術台へ。
早い、ことは早い。
やっぱり地元の医院の方がいい。うちの勤め先の某病院ではこうもいかんだろう。
できることならかかりたくない病院ナンバー1である。
そこに比べればやっぱりいい。患者フレンドリー。
浜田整形外科・内科クリニック万歳!
とちょっと宣伝しておく。

浜田院長は素敵な医者である。
なんていうか、天然仕込みの笑顔がいい。
いつもにこやかにしておられる。
美人の奥様は(内科担当)ちょいとキツめの感じで、まあ腕はいいんだろうけれども
やっぱり浜田整形の人気の秘密は院長の子供っぽい笑顔にある気がする。
院長の人間関係の広さだろうかあ、いろんなところから他の先生も応援にやってくる。
名古屋グランパスのチームドクターも時々来るらしい。
これは院長の人徳だろうなと思う。天然。まさしく天然に備われた人徳
おそらくB型。絶対B型。あの天然ぶりはB型。
B型は好きである。僕には全くまねできない。
憧れるのである。
素敵な素敵な浜田整形外科・内科クリニック。
わたくしは大推薦である。
くどいようだが某大学病院より絶対いい。
院長にそのこと話したら喜んでいたな、まあそりゃあそうか。


さてさて手術台に寝かされて、点滴を受ける。
セフゾンらしい。レセプトでしかお目にかかれないものを実体験。
面白い、実に楽しい。ってセリフは今だからこそ言えるものだが。
手術台に寝かされたときの僕は激しく緊張していた。
初体験前の処女のようなものかもしれない。
まあ前も体験してはいるんだけど、前の手術の時はなんかぼやっとしていたからな。
なんかここまで覚醒状態で受けるときはさすがに緊張する。
看護婦さんとの会話の中で何とか自分を落ち着かせようとする。
まあ全身麻酔の手術に比べればこんなん全然大丈夫だ。
全身麻酔、三回やったがあれは辛い。
術前の注射も痛いことながら、なんと言っても
麻酔が覚めてからの痛みが並大抵のものじゃないのだ。
覚醒してからはもう一晩は眠れない。しかも動けない。
術後は2日ぐらい起きることも困難な状態なのである。
と思い出すだけでもイヤである。
二度としたいとは思わないな。

といろいろ思い出しているうちに院長登場、いよいよ手術開始。
自分の体が切られているのなんてみたくもないので顔を背けていた。
ここではものすごく緊張。
局所麻酔用のキシロカインが打たれる。10ミリグラムらしい。
XYL・・・いつもレセプトで見ているキシロカインである。
なんかこれはこれで感動。
が、怖い。そう、痛いって言うよりも怖い。恐怖を感じる。
感覚がないのは右肩部分だけなのだ。
頭はハッキリしているのだ。
果たして無事にボルトは抜けるのだろうか?
先生は「痛くない? 大丈夫?」ってしきりに聞いてくれる。
大丈夫です、先生。って言うかここで「痛い!」なんて言ってしまうと
「じゃあ、全身麻酔で♪」ってことになってしまう。
そ、それだけは避けたい。
多少痛くても局麻の方が全然マシだ。
我慢である。別に耐えられないことなんて無いのだ。
孤独と痛みには慣れているのだ。
途中から、麻酔が効いてきたらしく、痛みはほとんど無くなってきた。
が、先生がボルトを抜こうと悪戦苦闘している音、
骨と金属がぶつかり合う、「ゴリゴリゴリ」という音、って言うか感覚が伝わってくる。
やはり怖い。一体僕はどうなってしまうんだか。
痛くはないが怖い。その間も「ゴリゴリッ!!」という感覚は続く。
骨の部分からボルトをねじ回しのごとくぐるぐる回して取り出しているのだ。
「キリキリキリ」と言う感覚もあるのだ。
あ〜僕は絶対医者にはなれない。
それとも慣れるんだろうか、そういうのにも。
と言っている間に「抜けたよ」と言う先生の声。
あ〜一安心だ。何せ心配なのはちゃんとボルトが抜けるかってことだったから。
が、「ワッシャーも抜かないとな」と言ってもう一度器具を僕の中につっこむ先生。
ポンと言う感じで無事ワッシャーも抜ける。
さあ後は縫うだけである。まずは一安心。
が、その前に傷口の洗浄が残っていた。
生理食塩水で傷口をきれいに洗う。
麻酔の効いているあたりはあまり感覚がないものの、背中に伝わると冷たい。
あ〜処置に使う生食500mlってどうすんだろう? ってずっと疑問だったけど
こうやるんだな〜。なんか病院でやっていることをすべて体験できて面白かった。

その後、縫合して無事に手術は終了した。
終わってから時計を見るとまだ3時だった。
あまり時間たっていないな。
やっぱり日帰り手術デイ・サージャリーだけのことはある。
晴れて僕はキレイなカラダになったことになる。
もう埋まっているものはなにもない(ハズ)
ボルトは滅菌して頂いてきた。
これもまた僕の宝物コレクションにしよう。






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