DAY
私の日々の下らない日常。
最近はマンガばなし。


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2004年04月16日(金) キンキキッズの「F album」を語る。

堂本剛の歌声を求めてとうとうキンキのアルバムを借りてしまいましたよ…。2002年に出た「F album」。驚く程統一性のないアルバムでした。同じジャニーズのアルバムだと、嵐の「HERE WE GO!」と「How's it going?」を聞きましたが(スイマセンシングルス貶したくせに)アレは予想外に良くてびっくりだったんですよ。

世の中には色々なタイプの音楽家がいますが、大きく二つに区分出来ると思います。ボーカリストがいて、プロデューサーとしてその人物に合わせた楽曲を作るタイプ。それから自分の楽曲があって、それを誰かに歌わせて世に出したい人。もちろん大雑把過ぎる区分ですがね。
前者の典型がX JAPANのYOSHIKIとMY LITTLE LOVERの小林武史だと思います。両者とも他のボーカリストに歌わせても、やっぱりその曲はそれぞれ「TOSHI」と「AKKO」をボーカリストとして求めているのが丸分かり。(だから復縁?してくれYOSHIKIとTOSHI…お互いじゃないとイマイチなんだよ)
こういうタイプのアーティストはアイドルに楽曲提供するのあんまり向いてない(小林武史は昔むかーし小泉今日子にしたけど)。だけど後者のタイプにとっては、ある程度歌唱力があればアイドルって言うのは自分の楽曲を世に出すための有効なツールかも知れないと思いました。事実「How's it going?」は結構良かったですよ。(まあもちろん音楽に何を求めるかによるがね)

とまあ話が逸れましたが、私が音楽を聞きはじめた切っ掛けであるミスチルとマイラバは本当にアルバムごとに毛色の違うアーティストなんで(特にマイラバは顕著)、それを基本に育った私にはこの「F album」みたいな無法地帯は何だか凄い落ち付かなかったです…。同じジャニーズでも嵐の「HERE WE GO!」と「How's it going?」はちゃんとそれぞれのコンセプトにそった作品でした。
だからなんでこんなことが起こるのかとちょっと考えたのですが、タイトルが「F album」なんですよね。Aから始まって、Fっていうのは単にキンキの6番目のアルバムって言う意味。だから6枚目のアルバムを作る時期にあった楽曲を特にコンセプトもなく収録しました、と。わー新しいー。(棒読み)

堂本光一はね、下手じゃないよ。下手じゃない。上手くなってるし。「kissからはじまるミステリー」に比べたら格段の進歩です。ただやっぱり上手くないの。
声質がなあ…なんというか、堅い木の板なんだな。歌っててもそれが上下してる感じなんだ。『響き渡る』ことのないタイプの声質。…ミュージカル大丈夫なのか?生歌じゃないのかなあ。でもそんなのミュージカルじゃない…。
キンキのファンサイトを覗いたら、「剛君と光一君の声の区別が付かないことって結構ありますよね〜?」とか書いてあるところがあって、目を疑いましたよ。耳付いてんのか?付いてんのか?聞こえるのか?聞こえてて本気でそんなこと言ってるんだったら本当に信じられない…。平たく言うと、上手い方が剛です。声が伸びて膨らみがあるのが剛です。曲によって雰囲気が違うのが剛です。
ただし、全ての曲において剛が上と言うわけではなく、「F album」の中では「カナシミブルー」なんかはむしろ光一の声の方が合ってると思いましたね。「カナシミブルー」は曲の雰囲気や世界観が確立しているので、曲の中でどんどん変質する剛の声はちょっと…という感じですな。正直。曲自体はめちゃくちゃ好きなんで残念なことなんですがね。光一の低くて表情のない声はかなりハマってた。それと、剛はかなりクセを付けて歌うこともあるので、合わない人もいるでしょうな。

まあアルバムの中でちょっとめぼしい曲を語ると、1曲目の「ルーレットタウンの夏」はTHE・1曲目って感じですね。この曲で始めて何で「カナシミブルー」で締めるんだ…。
2曲目「solitude〜真実のサヨナラ〜」。何この曲。New Editってことはシングルか。売れたのか、この曲…?全然聞いたことないんだが。ごめんこんなクオリティーでシングルカットしたの、血迷ったとしか思えない。他に候補なかったのか?
4曲目「冬のペンギン」。だからなんでこの流れでこういう曲ここにいれるんだよ!
5曲目「WINTER KILL」。剛氏作詞作曲ですな。好きです、こういう曲。うーんAKKOみたいに声色がたくさんあるわけじゃないけど、ちゃんと雰囲気は変えられるんですね。変に凝った歌い方よりもシンプルな方が私は全般的に好きなんで、これは結構高評価。レミオロメン系。
同じく剛氏作詞作曲7曲目「ひらひら」。イントロがなんか合ってない気が…曲自体は有り勝ちな印象が拭えませんが、やっぱり結構好き。歌詞が結構ツボに来てるんだろーか。
8曲目「月夜ノ物語」。ごめん論外。これこそ剛のほうが向いてる曲なんじゃないか…?もっと移り変わろうよ。月なんだから。
9曲目「愛のかたまり」。ファンの間では名曲と誉れ高いらしく、カップリングとして収録されたオリジナルの方も聞きました。個人的にはオリジナルの方がいいなあ(まあ往々にしてそういうもんですが)。いい曲はいい曲だけど、何でそんなに人気あるんだろうと思ったら、これ作曲光一作詞剛なんですね。ナルホド、そりゃファンは喜ぶわ。
私はなによりも、この歌詞を男性アイドルが書いたと言うことにぶったまげるわけです。ど、どんな人生歩めばこんな歌詞を書くジャニーズが誕生するんだ…。あー私ね、本当に結構堂本剛の書く詩はハマるかも知れない。

変わっていく あなたの姿
どんな形よりも愛しい
この冬も越えて
もっと素敵になってね

こんなこと、心から思える人間になりたいものだと感じるのです。ここの部分、本当に好き。自分がなれないと知っているからこそ憧れるのかも知れないけど。
ジャニーズの曲って、基本的に曲重視だと思うんです。SMAPの「Shake!」とか「ダイナマイト」とか顕著かと(何がチョベリベリ最高だよ)。そんな中で、この「愛のかたまり」は歌詞が曲を凌駕した稀な例かも知れません。もちろん、私の好みの問題って言うのが大きいですが。
(余談ですが、剛作詞と知って最初の『心配性過ぎるあなたは電車に乗せるのを嫌がる』っていうくだり、「ああ、芸能人だからねえ…そりゃあ光一も嫌がるだろうよ」と素直に思ったら次が『まるでかよわい女の子みたいでなんだか嬉しいの』に「……嬉しいのか?」と沈黙させられ。その後暫く「……」の状態が続いた後、『言葉や仕草はあなただけの為にあるの』でようやくこれが相方の光一のことではなく、男女の恋愛に付いての歌詞だと言うことに気付いて「ああ!」となんか凄く安心しました。こういう風に彼女から愛されたいって言うことなのかな。…夢見がちな男ですねえ。)
12曲目の「カナシミブルー」はサビだけCMで聞いたことありました。初めて通しで聞きましたけど、いい曲じゃないですか!コレが流れてたCM、確かキンキが踊ってたような気がしたんですが。格好いいなあ思ってたような気が…あ、作詞作曲堂島孝平だ。なんか納得。この曲に関しては本当に光一の方が合ってると思いますよ。
しかし本当に統一性ないな、このアルバム。


何でこんなに堂本光一をスルーしてしまうのか。考えてみると、昔ドラマは見ずともそのノベライズは読んでた時期があって、それで「若葉のころ」も読んだんですね。それでさあ、光一がやった役が剛の役の男が更正院に入ってる間に剛の幼馴染みの彼女を妊娠させるんですよ。それ読んだ時もう「そりゃあねえだろうーー!」と内心絶叫。しかもその彼女を守ろうとして更正院入ったんだよ剛!それでもう「この男最ッ低…!」というイメージがあまりにも強くてだね…多分それを引き摺ってるんですね。でも読めば読む程甲斐(光一)がことごとく私の好みから外れる男でね…。そして武司(剛)が報われない役でね…。
しかし当時の視聴者の皆さんはあんな理不尽な結末に納得したんですか?なんであんなに何もかも武司に背負わせるわけ?尻拭いさせるわけ?色々言ってみたって、結局悪いのは泉(奥菜恵演じる武司の幼馴染みの彼女)に手ェ出した挙げ句ギリギリになるまで何もしなかった甲斐じゃねーか!バレなきゃ一生言わないで煙に巻くつもりだったんだろ?!泉の気持ちも無視してさあ!どーせ子供が出来なきゃ泉より武司優先したんだろ?何様じゃテメェーーー!!
親父に「代わりにお前が死ねば良かった」とかなんとか言われたってそれが傷になったって武司も泉も傷つける資格なんてないだろうよ!もっと甲斐に世間の厳しさを実感させてやりたかった…。あの状況じゃあ甲斐が意識不明になった時点でもう今までのこと全部チャラじゃん。子供だってあの状況で生むなとは誰も言えん。家出たのだって父親と確執が合ったのも武司を裏切ったのも全部ナシ。おかしくないー?
イヤでも冗談抜きで、甲斐が武司にしたことは許されることじゃないと思うんだけどなあ…。私だったら良くて半殺しにしてる。ここで甲斐に手をあげなかった武司は本当に素晴らしいと思うのだが。つーか武司はなんであんなに良いヤツなんだ。なんであんなに凄いんだ。武司は自分を正当化しようとすればいっくらでも出来るのに、それをしない。出来ない。……それなのに何であんなに虐げられるんだ…ストーリーの破綻を背負わされるんだ…(泣)
何でイキナリ親父が良い人になるの。息子の幼馴染み襲おうとしたのは何処のどいつじゃー武司殺そうとしたの何処のどいつじゃ。
もちろん一番の被害者は泉ですがね。惚れた相手が悪かったとしか…「もう二度と逃げはしない」と言うくせにその重荷は全部武司と泉と母親に背負わせてるじゃねえか(もしも熱狂的な甲斐ファンがいらっしゃったらごめんなさい)

「若葉のころ」はついこの間最終巻だけレンタルしてみましたが、衝撃でした。こんなに日常に溶け込まない人、初めて見た。凄い。制服以外の全ての衣装が似合わない…!光一氏は本当に美形ですねー美形ですねー凄いですねー。でもこういうドラマは向いてないとしかちょっと…。
あと、記憶にあったシーンがなくてちょっとびっくりした。再放送か何かで見たんだと思うんですが、武司が凄い暗い顔で中絶同意書にサインして泉の両親に「ありがとう、武司君…」とか言われたり、泉が線路渡るシーンだって「この子を殺すなら私も殺して!」とかもっと凄かった気がするんだが。他のドラマと勘違いしてるのか?

つーか光一演技もイマイチだったなあ。ぎこちなさ過ぎる…。奥菜恵も上手いとは決して言えなかったので、堂本剛と脇を固めるベテランに救われたドラマでしたね。最終回で甲斐が眠りっぱなしだったのは光一の演技力に不安があり過ぎたせいだと思ってしまうこの私。
というか堂本剛が上手くてびっくりでしたよ。これって金田一より前?後?多分後なのかな。少なくともファーストシーズンよりは後だ。金田一の時より全然上手いし。滑舌が全然違う。丁寧さや表現力が違う。多分当時まだ高校生だと思いますが、今このくらいの歳でこういう役ができるこれだけ上手い人ってちょっと思い浮かばない…。今クールの「ホームドラマ!」見ようと思ってるのですが、ちょっと期待しちゃうな。ユースケも好きですー(というかユースケが好きというか。「お見合い結婚」は大好きだし、真下君も大好き。あと酒井若菜もね。可愛い。「木更津キャッツアイ」とか「マンハッタン・ラブストーリー」とかあまりの可愛さにどうしようかと)。

誤解して欲しくないのは、別に私堂本光一嫌いじゃないですよ。別に貶したいわけでも全くない。外見はそれはもう素晴らしく整ってるし、普通に喋ってる時の声は剛より全然良いと思います(というか剛は「若葉のころ」の最後のインタビューに応えている彼と本当に同一人物なんでしょうか?どこをどうやったらこの少年があんな大人に…)(まあ子供には全く興味のない私にしてみれば、どんなに太ってても髪が気持ち悪くても現在の成長した堂本剛の方が良いです)。ただその外見が全く好みじゃないため…(もごもご)。まあでもあんだけ顔が良かったら演技力なくても歌唱力なくても芸能界にいるべきだと思う。

取りあえず今日の「ホームドラマ!」を楽しみにするかな。


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黒沢マキ [MAIL] [HOMEPAGE]