DAY
私の日々の下らない日常。
最近はマンガばなし。


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2003年09月21日(日) ガンダムSEED 第49話「終末の光」

視聴後の第一声:「これは来週全員死ぬかも知れん。」

さて。「ふざけんなこのクソアニメ」という感想を求めていらっしゃったやさぐれた方、多分お力になれません。
「無意味に殺し過ぎ」だと思われる方。私は「戦争してるんだろ?」とお答えします。
「メインが死なない」と言われる方。「だって主人公なんだからしょうがないじゃないか」と私は思います。
今回は「死んじまったものはしょうがない」「ならばなるべく肯定的に前向きに」という心意気で行きます。

■見ろ、人間が風船のようだ
うわあ、自分で書いてて痛い…。ぐっろおおお(泣)ううう…でも地球軍だってボアズに同じようなことしたもんな。しょうがないよな…。
ていうかプトレマイオスクレーターには一般人はいないんですよね?キラとアスランが行ってたような学校とかそういうのは別の場所にあるんでしょう?それか開戦と同時に一般人は強制退去させられたとか。
まあ一般人が死ぬ描写は出て来てないので(多分)完全に軍事使用地区なんでしょう。

■申し訳ありませんがまとめてお願いします。
□M1アストレイに乗ってた女の子3人
まあしょうがないよね…彼女たち確か元々オーブ軍のパイロットだったんだし。今までの戦いで散々M1部隊やられてるし、ここで彼女たちがやられない理由の方が分からない。確かに一瞬で死んじゃったけど、でもそれが普通の軍人の死に方なんじゃないのか?本来なら脇キャラにもならないような位置付けだったんだし。あくまでオーブ製のM1アストレイっていう機体があって、それには元オーブ軍のパイロットが乗って戦ってますよ、っていうのをアピールするためのキャラだったわけで。だったらこれだけの激戦の中で彼女たちが戦死するのは当然の結果だろう。
別にカガリの種割れの理由付けって訳でもなかったしな。カガリは戦火がどんどん大きくなって、危険度が増したから種割れしたんだし。その危険度が増し足って言うのを分かりやすく表わすのがM1隊の死。本当は別の名前も顔もないM1が撃たれたのと一緒じゃん。
彼女たちは軍人だった。パイロットだった。戦っていた。でも力が足りなかった。だから死んだ。そういうことだ。若くても女の子でも、軍に志願した時点で彼女たちは覚悟してたはず。だから、しょうがなかったんだと思う。
ちなみにカガリの種割れはいらなかったと思います。異様に上手くルージュを乗りこなせたとしても、無理矢理才能があった、っていうことで納得させた方が良かったと思う。

□禁断・災厄
イザークとディアッカの連携攻撃でフォビドゥン撃沈。あれって連携攻撃だよね?イザークが突っ込んで行く前にバスターがフォビドゥンに打ち込んでたし。お前らその見事な連携をニコルが死ぬ前にやっておけよ…とは今言っても本当にしょうがないので思うだけにしておきます(寒)
しかしイザーク本当にディアッカいないとダメなんだね…何か空しい…。
しかしミーティア付けると本当に強いな!カラミティもしょうがないよ、最強機体2機がかりでやられたらさ。
…それに彼らは核ミサイルを守ってたんだ。

…彼らが結局何の救済も与えられずに『パーツ』のまま死んでしまったこと、それは本当に心苦しく思います。結局彼らには選択肢を与えられることすらなかった。それは本当はあってはいけないことだった。
でもこの『あってはいけなかった』最終戦の引き金を引いたボアズへの核攻撃、それをさせたのは間違いなく彼らだったわけで。…救われるべきだったけれど許されることではなかったんだろうか。
恐らく戦争が終わったとしても、彼らには普通の生活に戻るだけの肉体も精神も残されていなかったと思います。もしも強化の方法が、戦後(必要無くなった時)ちゃんと通常レベルまでの改善を見込めるようなものであったならば、3人だけではなくもっと多くの強化人間が投入されていたはずです。しかしそうではなかった。ということは、いくらアズラエルと言えども一般の地球軍兵士を強化出来るようなシステムにはなっていないと言うこと。本当に『使い捨て』するしかないと言うこと。
…死ぬことで、ようやく彼らは解放されたのかも知れません。それを彼ら自身が求めていたかどうかは定かではありませんけれど。
誰からも認められず、許されずに散った彼ら。せめて安らかに。

□ 「俺はお前を否定する」
仮面にそう叫ぶことで、フラガは多分勝ったんだと思います。彼は仮面の言葉が真実になってしまっていることを知ってる。人間がどんなに醜いか知っている。人間がどれだけ憎みあうことができるのか知っている。多分、作中に出てくる全てのキャラの中でトップレベルに。彼はそれを実感して生きて来た。
でも、それでも彼は人間を愛した。マリューを愛した。オーブの遺志を信じ、戦う先にある平和を信じた。続く未来を愛した。
…彼が死んだの、寂しいです。悲しいです。マリューとずっと一緒にいて欲しかった。多カップリングのSEEDの中で、この2人だけはいかなる出会いであっても絶対に恋に落ちただろうと私は思う。一時期言われていたアスカガのような『敵同士』であっても、彼らはお互いを愛するようになっていただろうと。彼らが恋に落ちないのはきっと、一生出会うことがなかった場合だけだろうとすら思っていた。
出会えたのに。彼らは出会えたのに。引き裂かれる。死者は永遠に死者であり、生者は死者に近付けない。
…それでもフラガは最後の最後まで彼であった。マリューとAAを守るために帰って来た彼は、マリューとAAを守って死んだ。本当はアラスカで別れた時に、マリューの死と言う形で行き止まるはずだった彼らの恋が成就し、彼が彼であるために死んだと言うことは、この世界の中信じられないくらい輝いていることなのかも知れない。
だからマリューには諦めないで欲しい。恋をすることを、誰かに近付くことを、もたれ掛かることを。10年でも20年でも30年でもかかっていい。いつかきっと誰かに出会える。癒してくれる人に出会える。彼女なら会える。変わらないでいて。諦めないで。
誰も恨まないで、何も憎まないで、今はただ彼の喪失だけを哀しんで。

□誰かの影
ナタルって結局昔の自分のしっぺ返し喰らっちゃったのかなあ…。まあナタルの言う『上官』とアズラエルとの間には日本海溝よりも深い溝があったわけだが。…でも反感を持ってたとは言え、核ミサイルをプラントに打ち込むためのピースメーカー隊を援護していたのは事実だし。
でも最後は『軍人』としてではなく、『個人』として信じるもののために死んで行くことを彼女は選ぶことが出来た。…恵まれてるよね。
ナタルのマリューへの思いって何て言うか…限り無く恋愛感情に近いものだったじゃないかと思います。イヤ別に百合カップル推奨とかじゃ全然ないんですけど。でも多分ナタルはマリューの自分にはない優しさに憧れ、命取りになりかねない甘さを愛しく思い、そして守りたいとどこかで願っていたんじゃないだろうか。彼女はマリューと出会うことの出来た自分を誇りに思いながら死んで行ったんじゃないだろうか。
変わることのない『善意』とか『素質』とかが誰かに対してプラスに働く、そういうことを表わしているのがマリューとカガリなんでしょう。
しかし本当にフレイには無事にAAに辿り着いて欲しいですね!そんでちゃんとナタルに付いてマリューに話してあげて欲しい。(…そう言えばイザークも一応フレイに思い出されてたなあ…平素では絶対に気が合わないと思うんですけどね、この2人。コーディネイターでもやっぱりむかつくやつはむかつくとでも思ったんでしょうか)

■登場人物であり、そして観客
ラクスは狂言回しなんですね。彼女が断言したり答えを出したり何かを明確にしたりって言うことがあまりないのは、そのせい。彼女はスタッフの代弁者。
…しかし彼女の種割れた顔は怖いです。


さて、ここからはムードを変えてお読み下さい。
■今週のディアッカ
ディアッカも出来れば無駄に地球軍とも戦いたくない様ですが(だってジェネシス破壊が目標なんだもんね)、結局聞いてもらえないので攻撃。何だかんだ言っても彼は兵士、「向かってくるものは殺す」というスタンスなのです。…まあしょうがないよね。殺さないで済めばまだ良いけどさ…地球軍やっぱり核撃とうとしてるし…。
後ろから攻撃喰らってピンチなデュエル!後方支援だったじゃないの?なんて言う突っ込みは今更無用、どんなに丸くなろうが彼はイザーク・ジュール、勝ち目がなくとも猪突猛進な男。
そんな彼を救ったのはバスターの一撃。驚くイザークに「ほら、敵じゃないって言ったろ?」とばかりに微笑んでみせるディアッカ。あっさりと懐柔されるイザーク。…やっぱり一人で寂しかったんだね、君…。何か可哀想になってしまいます。
しかしデュエル強いですねー!アサルトシュラウド付けたデュエルは当然宇宙の方が有利だしな。大気圏付近でキラにやられた時に比べれば当然イザークの腕も上がってるだろうし。うーんバスターとデュエルの連携攻撃。私的好き機体上位2つ。眼福でした。
その後も割と大活躍なデュエルとバスター。…しかしこんなに主人公2人が目立たない話でいいんでしょうか49話なのに。来週終わりなのに。
私はディアッカ大好きなので彼さえ生きていてくれればもうどんなラストでもいい、と思っているのですが。例のフラガがローエングリンシールドで押さえてるところ。何やってんだイザークなんてうっちゃって置いていいから助けに来いディアッカーーーーー!!と思いました。バスターにはシールドがないのであの状況でAAを守ろうとする場合、それこそ文字どおり身を挺するしかなかったんですが。…まあでもフラガが死ぬくらいだったらミリアリアも守れることだし、ディアッカの死に時ではあったよなとか。考えちゃったりして。イザークに殺されそうだな、私…。
まあそんなこと言ってももうフラガ死んじゃったしディアッカは生きているので、このまま来週も乗り切ってもらいたいです。来週冒頭ではAAの援護にやって来るでしょうけどね、バスター。ミリアリアに死なれたら困るからね、ディアッカ。

「戦争に関わったやつは皆死ね」という監督の主張が透けて見えたような気がした今回なのですが、気のせいだったことにして乗り切ることにします。


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黒沢マキ [MAIL] [HOMEPAGE]