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YUKI


2004年05月02日(日)
 イアン・マッケラン自らを語る


BS2でやっていた、「アクターズ・スタジオ・インタビュー」のイアン・マッケランの回をようやく見ました。この番組は時々深夜にやっているのを、見かけることがありましたが、最初から最後まで通してみたのは初めてです。時々見る断片だけでも、かなり良い番組だと思っていたけれど、ほんとに見て満足できる内容でした。インタビュアーが質問をし、それに俳優が答えるというシンプルな作りですが、インタビュアーの下調べがすごい。俳優の業績やエピソードを調べ、ポイントをきちんと押さえ、下世話な興味本位の内容に深入りはしない。それでも、触れなければいけない場合はきちんと質問に入っているようでした。小さなホールで俳優や制作スタッフ志望の学生達の前でインタビューは行われます。検索してみたら、ジーン・ハックマンの回を再録したファンのHPがありました。構成は、だいたい毎回同じようです。

http://homepage3.nifty.com/hackman/hackman_interview.html

番組のHPはこちら。
http://www.bravotv.com/Inside_the_Actors_Studio/

イアン・マッケランを私が初めて見たのは『旅の仲間』かもしれません。つまり、最近まで全然知らなかったわけですね。そして『旅の仲間』に出てくる俳優の映画のビデオを見るようになって、『ゴールデン・ボーイ』を見ました。これは原作のキングの小説がとても好きなので、映画自体を楽しむより原作と比較してみてしまって、マッケランらしさというのはわかりませんでした。次に見たのが『ゴッド&モンスター』これは・・・素晴らしかったです。男でありながら男ではない、不思議な人。細やかな感情表現。そして彼がカミングアウトしたゲイであることを知りました。
インタビューでは彼の生い立ちから始まり、俳優としてのキャリア、要の作品についての突っ込んだ質問、というふうに話が進んでいきます。『ゴッド&モンスター』の時点では、まだマッケランはカミングアウトはしていませんでした。だからこそ、映画の主人公の時代のゲイを深く演じることができたと彼はいいます。49年間、自分にとってもっとも本質的な事柄である性的嗜好を隠してきて、カミングアウトしたことによって、自分でも気がつかなかった重荷を下ろしたことを知ったということ。初めて舞台の上で泣く事ができるようになったこと。自由になったということ。淡々と語られていますが、とても心を動かされる内容でした。最初から最後まで、イアン・マッケランの受け答えはまっすぐで、お茶目で、表情は豊かで、素敵でした。そして、見られることに慣れていて、自分の受け答えを隅々までコントロールできて、しかも演技ではなく答えることのできる人だと思いました。そんなふうに存在できるなんて、素晴らしいですね。