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指輪物語関連ファイル

YUKI


2002年06月24日(月)
 <ビデオ>『わが心のボルチモア』


20世紀の初めに、東欧からアメリカに移民した一族を
祖父と孫の触れ合いを通して描いた映画。
時代の移り変わりと、家族の変化を丁寧に写し取っています。
地味だけれどしみじみと心に響いてくるものがありました。

お父さんが仕事の途中にケガをするところで、どきどきして、
子供がお父さんの幻影と歩くところでは、
ああ、死んじゃったんだろうかと思いましたが
そういうシビアな展開にならないところも好感が持てます。
抑制が効いているけれど、甘くもない。

彼らのたどってきた道は、日本に住む私の時代とも重なります。
たくさんの親戚が集まって、たくさんのいとこ達と遊んだ
お盆やお正月を思い出しました。
ささいなことで、仲たがいした親戚もいました。
三種の神器で、生活が変わり、核家族化がすすみ
テレビが居間の中心になる。

それでもこの映画では、孫は自分の子供に祖父の名前をつける。
きちんとバトンは受け継がれていきます。
実際はそうはいかないことも多いでしょうけど、
来し方行く末を考えるきっかけになるかもしれない。

この時代を生きてきたたくさんのアメリカ人への
いたわりの気持ちに満ちた映画だと思いました。

で、孫を演じたのはイライジャ・ウッドですが、
この映画でもガラスのような彼の目というのが、ストーリーの中心になっています。
ほんとにかわいいよ。おりこうさんだし。わざとらしくないし。
こんなかわいい息子がいたら、お母さんは子離れが大変かも。