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指輪物語関連ファイル

YUKI


2002年06月14日(金)
 <ビデオ>『ある貴婦人の肖像』


ヘンリー・ジェイムズの原作を『ピアノ・レッスン』のカンピオン監督が撮った作品。
主人公のイザベルにニコールキッドマン。イザベルの夫にマルコヴィッチ。
彼女に思いを寄せる男たちの一人をヴィゴが演じています。

ニコール・キッドマンの作品を見るといつも、あああ、大根と思ってしまうのですが、
今回もこんなに軽くてどうするんだろう、と思って見始めました。
ところが!さすがカンピオン監督。
自分のバカさ加減に気がついていない利口ぶった女の子が
趣味人(ディレッタント)を気取った、狭量な男にだまされていく様子を描くのに
こんなにぴったりのキャスティングはない、という仕上がりです。
彼女には凡庸に見えた愛情がこのうえなく貴重で、
素晴らしく見えた教養がまがいものであることが、だんだん明らかになっていく。
自分から何も生み出さず、他人を利用して望みをかなえようとする人間の醜さを知って
おバカだった女の子は真実の愛に気がつくというような話でした。
まあ、それもおとぎ話の一種だけれどね。
マルコヴィッチの曲者ぶりとか、その愛人役のバーバーラ・ハーシーの魅力には貫禄があります。
19世紀の服飾や室内装飾がたくさん見られて、とても楽しい。

ニコール・キッドマンはあまり好きではないのだけれど、
最後、涙でくしゃくしゃになった顔はかわいかった。
思うに、彼女は、自分のセルフイメージを誤解しているのじゃないだろうか。
そういうものにとらわれなくなったら、素敵だと思うんだが。

ヴィゴの映画の追っかけをしていて、思わぬ拾い物をしたような気分になった一本でした。
ヴィゴは、ヨーロッパのでかだんす〜みたいな世界では少々浮いてしまうかな?
アメリカ人の役だったから、言葉はあのままでいいんだろうけど、ちょっと違う感じがしました。
でも、いろんな女優さんを相手にしてるなあ、と妙なところで感心したり。

Cinema Clip:ある貴婦人の肖像
www.sankei.co.jp/mov/review/97/0120portraitof.html