【復活!】ダイエットなDIARY
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2003年01月28日(火) 裏腹


実験心理学ではアイロニカル・プロセスというのがある(らしい)。


何かを考えないようにすると、それを考えまいとする心理が働き、返ってそのことを考えてしまうというものだ。



例えば深夜にカップラーメンが食べたくなったとする。

「いや、ダイエットのためにそんなカロリーの高いものを食べてはいけない。カップラーメンのことは考えないようにしよう」

そう考えてしまうと、「カップラーメンのことを考えないようにする」心理プロセスと同時に、「本当にカップラーメンのことを考えていないかどうか確認する」という心理プロセスが働いてしまう。

つまりカップラーメンのことを考えていないかどうか考えてしまい、ついにはカップラーメンのことが頭から離れなくなる、という相反する結果になる。

それゆえアイロニカル(皮肉な)・プロセスという。


そういう時は、考えないようにするのではなく、別のことにすり替えるとよい。

そしてとりあえず、カップラーメンではなく、他のよりカロリーの低いものを食べてしまって満腹にしてしまうほうが精神衛生上もよい。







それにしても、たとえば舞台であがらないようにと考えていると返ってあがっちゃったりというように、自分の考えとは裏腹になることが日常生活でままある。


それは単に心理内部の問題ではなく、自分の周りの社会や自然現象とも結びついているように感じられることがある。


ユングのいうシンクロニシティだ。








今日はヤバかった。





案の定4時ごろまで眠れなかったが、朝、時間通り起床。

睡眠時間は3時間ほどか。




支度を済ませ、朝食をとり、トイレに行ってから、車で出かける。

高速を飛ばして某大学へ向かう。
高速はいつもスムーズであるが、降りてからの一般道は混む恐れがある。
だから、高速ではなるべく飛ばし、時間を稼いでおく必要がある。


定期試験であるので遅れるわけにはいかない。

試験問題も自分で持っているのである。
代理は効かない。


一般道を降りてしばらくすると、ヤツが来た。
激しい便意で、ゲリーの気配である。
出かける前にトイレには行ったのだが、こんな時にはやって来るんぢゃないか、と心のどこかでは思ってもいた。

「やべ!」とか「マジかよ・・・」とか一人の車内でつぶやく。

この先にコンビニはいくつかあるが、コンビニにはたいていトイレはひとつしかなく、もしもすでに誰かが入っていたら大事な時間をロスしてしまう可能性もあるし、なによりも待っている間にゲリーが到着してしまう恐れさえある。

以前の路肩事件以来、ダッシュボードには携帯用トイレの袋が置いてあるが、昼間の住宅街でこんなものを使うわけには行かない。

それに、大学にさえ着けば、そこには無数のトイレがある。


すでに頭の中では「大学=沢山のトイレ」という等式しかなくなっている(笑)。




コンビニを横目で通り過ぎ、先を急ぐことにした。


そして案の定というべきか、悪いことは重なるもので、あと2キロほどのところで道は混み始めた。

渋滞である。

平日の一般道はダンプやトラックが多すぎる。



渋滞の先頭は分かっていた。

この先700メートルほどの交差点には右折車線がなく、そこの右折待ちで渋滞が起こっているのである。


いらいらしながら、口汚く渋滞を呪いながら(Fuck!とかShit!とか言っちゃう)、おれは括約筋をいっそう引き締める。
しかし、車は動かない。


冷や汗をかきながらも、最後の手段をとるべきかどうか迷っている。

ぢつは裏道があるのだ。



今走っている道路とほぼ平行に、小さな川沿いの道がある。

生活道路であり、狭い道で7時から9時、16時から18時の間はスクールゾーンになってしまうため進入禁止となる。

車二台のすれ違いが出来ないほど狭いくせに、そこは一方通行ではない。
つまり、もしも対向車が来たら、どちらかが道の入口までバックしなければならない。
そしてその道を利用するのは地元のおばさんとかが多いから、こちらがバックしなければならない公算が高いのである。

不確定要素が多いので、普段はめったに使わない。
というか、学生の頃に使ったきりだからかれこれ10年も使っていないのだ。

その裏道への入口が近づいてきた。
渋滞で方向転換などできないだろうから、ここで決断するしかない。

時刻もすでに9時を回っている。

オレは車を裏道へ乗り入れた。

この道を飛ばす。
狭い道で、ウォーキングをしているらしい老夫婦とギリギリですれ違う。

幸なことに対向車は来なかった。
皆、この道は敬遠しているのだろう。

あっという間に大学の門を入った。
教職員は構内に乗り入れることが出来る。


大学の敷地自体はやたら広い。
建物も沢山ある。
そしてそのどれにも沢山のトイレがあるのだ!!

ビバ!!沢山の沢山のトイレたちよ!!!


が、すでに括約筋の限界が近づいているのも確かだった。
もっとも手近な研究所の建物の脇に車を止め、急いで中に入る。

すでにこの建物のトイレの配置は頭の中にインプットされている。
過去に何度か利用しているからである。
しかも、最新式のウォッシュレットまで設置されているのだ。



深刻そうな顔をして(事実、深刻なのだが)急ぎ足で受付の前を通り過ぎる。
誰も止める人はいなかった。


トイレに入り、便器にしゃがむのとゲリー到来はほとんど同時であった。


ううむ。間一髪とはこういうことをいうのであろう。




このトイレで10分ほどロスしたが、定刻どおり到着。
しかもラウンジでタバコを一本吸う余裕さえあった。

まるで、フルラウンド戦い切った格闘家のような気分である(笑)。




朝から燃え尽きた一日だった。





間に合ってよかったよ、ホント。


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