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雪組「ロマンス・ド・パリ」
2003年08月23日(土)

雪組「ロマンス・ド・パリ」「レ・コラージュ」
を観てきました。

お芝居もショーもなんだか印象が薄くて
観たばかりだというのに
すでにあまり思い出せません(^^;)。

思い出すために
あらすじを書いて振り返ってみます。

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パリの夜
高級クラブ・アラベスクでは
アラビアの、とある国の
将軍ファデル(悠)を招いた
貸切ショーが華やかに繰り広げられていた。
その晩、そこにはパリ留学中の
アラビアの姫・リディア(舞風)が
お忍びで訪れることになっていた。
しかし、誇り高く毅然とした王女リディアは
ファデル将軍の機嫌を
とらなければならないことに納得がいかない。
早々と席を立とうとするリディアの前に
このクラブの若き経営者である
ヴァンサン(朝海)が現れて
「お嬢様、ご気分が悪いのでしたら
 気分がスッキリするカクテルをお持ちしましょうか」
と尋ねる。それが二人の出逢いだった。

実はヴァンサンは
王女の故郷の国にある
石油会社「アラカト石油」の会長の息子だった。
しかし彼は庶子であったため
父親の強い希望を断り
家を出てクラブ経営者の道を選んでいたのだった。

ヴァンサンの父シルヴァン(天希)は
自分の会社が、正妻の娘パトリシア(白羽)の
婿ディディエ(壮)の介入により
私利私欲のために利用されていくことに
密かに不満を感じていた。
それを息子ヴァンサンに止めさせよう
と考えていたのだが
高齢の彼は、それを口に出して伝えることなく
この世を去ってしまう。

そんな中、王女リディアが
沈痛な面持ちでクラブに現れる。
彼女の国で、ファデル将軍による
軍事クーデターが起こったのだ。
両親である国王夫妻は監禁
自らも身の危険を感じた
王女は、善後策を練るため
自国の広報官ムシャヒド(貴城)と
待ち合わせをしていたのだった。

王女の国の外交官で
元軍人のラシッド(樹里)らが
王女の行方を探しているのを
逃れるため、王女はヴァンサンの別荘に
匿われることになった。

一方、急逝した
ヴァンサンの父・シルヴァンの遺言状には
石油会社の経営権のほとんどを
息子ヴァンサンに渡すよう記されていた。
相続を堅く拒否したものを、遺言状にまで
記されているのを知ったヴァンサンは
「ディディエの横暴を止めて欲しい」
という亡き父の遺志を読み取る。
そしてまた彼は
王女と出逢い、王女の国の騒動に
図らずも関わってしまったことで
ディディエの最近の横暴な経営ぶりが
影でファデル将軍と繋がって
この軍事クーデターが起きるのを
見越した上で行われたものだと見抜いたのだった。

こうして、自由奔放に
人生を適当に生きていたはずのヴァンサンは
王女リディアとの出逢いを始まりに
一度は拒否したはずの会社の経営問題
果ては、関係なかったはずの他国の
軍事クーデターにまで関わることになった。

とまどいを隠せない彼だったが
匿った王女に
「わたしと貴方は同じ目的を持つ同志です。
 どうかわたしを助けて下さい」
と言われ、なぜか幸せを感じるのだった。

ヴァンサンと王女は
王を守る近衛連隊と国民に向けて
王女自身による声明ビデオを流すことで
彼らを蜂起させ、ファデル将軍の軍との戦いに
勝つことができると考え、着々とその準備を進める。

しかしあと一歩というところで
王女を追うラシッドに阻まれてしまう。
実はラシッドは、元軍人とはいえ
国王夫妻の味方だった。
しかし、国王夫妻の命を救うためには
王権を放棄し、国権を将軍に委ねること
しかない、という考えを持っていたのだった。
「国王の命さえ助かれば、
 その後でまた国権を取り戻せばいい」
と諭すラシッドに
王女は、
「軍による恐怖政治が
 始まった後では何もかも遅すぎる」
と訴え、ヴァンサンもまた
「この事件には、石油会社の利権が絡んでいるので
 一度クーデターが成功したら
 間違いなくもう覆せないだろう」
と付け加える。それでも無理矢理王女を
拉致しようとするラシッドに
ムシャヒドが、良い折衷案を思いつく。
「王権を放棄したように見せかけて
 国王夫妻の安全を確認した後
 王女の声明ビデオを流して
 国民を蜂起させればいい」

こうして、無事にクーデターは失敗し
王権は無事存続した。
王女たちの勝利が確実となったその日は
アラカト石油の株主総会の日でもあった。
ヴァンサンはその日
ディディエの横暴を記したビラを株主に配り
会社の裏帳簿をディディエの前に突きつける。
折しも、ディディエの社長室では
王女の国のクーデター失敗の報が
ニュースで流されており、
ディディエは完全なる敗北を知る。
ディディエの策略の失敗を決定づけた裏帳簿は
彼の妻でヴァンサンの姉パトリシアが渡した物だった。
地位も財産も失った上妻の裏切りも知り
打ちのめされるディディエだったが
パトリシアは彼に歩み寄り
「あなたは野望と理想の区別がつかなくなったの。
 でもわたしは貴方を愛している。
 もう一度はじめからやりなおしましょう」
と抱きしめるのだった。

王女リディアの帰国が明日に迫った日
ヴァンサンとリディアはパリの街をそぞろ歩く。
1日だけのデートだった。
映画を観たり、サーカスに行ったり
「もうこんな風に会うことは二度とないのですね」
と淋しそうに言うリディアに、ヴァンサンは
「会えますよ。そしてまたみんなをだまして
 逃げてしまえばいい」
と快活に微笑む。
日も暮れて別れも近づく中
思わず彼に抱きついてしまった
リディアを抱きしめて、ヴァンサンは
「リディア、貴女の名前は一生忘れません」
とつぶやく。
翌日、美しいドレスを身にまとった王女は
フランスの空港に立つ。
報道記者ごしにヴァンサンの姿を見いだした
リディアは
「パリは、わたしの心に残る
 恋人のような街です」
と言い残して去るのだった。

国へ帰ったリディアからヴァンサンの元に手紙が届いた。
「1日も早く貴方に会える日を心待ちにしています」
手紙にはリディアの限りない愛情が記されている。
「まさか、こんなことになるとは」
彼はどことなく自嘲気味に笑いながら
「でも―――――こんななりゆきも
 あっていいかもしれない」
とつぶやいて1人パリの街を去ってゆくのだった。

(おしまい)

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うーん、話だけ書くと
なかなかいい話なんだけれども
…印象薄いんですよね。
正塚作品といえば
「ただなんとなく毎日を送る
 或いは人生に行き詰まりを覚える
 主人公(@モテる)が、
 とある事件とある女性との偶然の出逢いを
 きっかけに、新しい自分を見いだす」
というのがテーマ。
話の筋が納得できないくらい
破綻してはいないけれど
設定のマンネリ化はいかんともしがたく
盛り上がりにも欠け
「駄作ではない」という程度の作品に
なってしまっているような。
似たような作品でも、
せめて登場人物や
出演者が生き生きと輝く
舞台を観たいです。

まず、第一に
登場人物と同化してしまうような
胸迫り、心揺さぶられ、切なくなるような
クライマックス・シーンがないのが
物足りない原因の1つです。

「Practical Joke」で
マミちゃんが、ヒロインに
「うっとーしぃんだよ、お前!」
と怒鳴るシーンとか
「Cross road」でジュリちゃん演じる
デュシャンが死ぬシーンとか
「バロンの末裔」の
雉撃ちの丘の告白シーンとか
「二人だけの戦場」で
イチロさんが上官を撃ち殺して
半狂乱になるシーンとか
「銀の狼」で、ノンちゃんが
妻を殺そうとする所とか…
正塚作品の中では
とても印象的で大好きだったんですが…。

主人公ヴァンサンを演じる
コムちゃん(朝海)は
「Say it Again」
「追憶のバルセロナ」
に続く正塚作品。
今回のヴァンサン役は、
前のクールな2役と比べて
亡き父シルヴァンを慕う場面や
王女に優しく接する場面などに
人間らしさが感じられる人物だと思います。
しかし、感情の吐露が分かりにくいので
彼の心が確かに動かされ変化したことが
イマイチ伝わってきません。
父親の遺志を継いでやるという強い決意
王女を愛しているという想い
それがもっと感じられたら
より物語が感動的になると思うんだけど。
クールで飄々としたところが
魅力のコムちゃんなので
確かにそううシーンはとても
心惹かれるんです。

わたしが好きなのは
射的でヴァンサンに勝ち
ぬいぐるみをもらって有頂天になるリディアに対し
「(負けたことは)人には言わないでください」
と冗談めかして言うヴァンサン
恋愛映画にウットリするリディアの横で
退屈そうにしているヴァンサン
ピエロたちのパフォーマンスに
大はしゃぎのリディアに対し
「(ピエロに)つまらん。
 (リディアに)行きましょう(^^)」
というヴァンサン。

ここのコムちゃんヴァンサンの態度は
非常に冷めているように見えて
それはヴァンサンの外見的なクセであり
コムちゃんという男役を
よりカッコよく見せるための
ポーズであるのですよね。
ここでもし、クールに徹し過ぎて
ヒロインに対する優しさまでが
欠如していたら台無しになるのですが
そんなことはなく二人の間に
とても微笑ましい空気が流れているのは
感じが良かったです。

CSでコムちゃんが
「お芝居を観るうちに
 この人は、本当にこの登場人物のような
 キャラクターなのではないか
 と思えてしまうような役になっている」
みたいなことを言ってましたが
あのデートのシーンのコム&りらコンビは
まさしく「普段もああなんではないか」と
思わせる(正塚先生の狙い?)
このコンビならでは魅力の形になっていると思います。

それにしてもコムちゃんの男役は
常に愛される人という設定しか
あり得ないのでしょうか。
コムちゃんには愛する演技が
ハマらないのかというと
決してそうではないと思うのです。
「月夜歌聲」のアンシアの
ウェンフーへの想いには
どれだけ泣かされたことか。
コムちゃんが愛する人を情熱的に演じるとき
それはいつも女役なような気がします。
「アンナ・カレーニナ」が
設定的には愛する役だったけど
コムちゃん&まひるちゃんの持ち味の関係で
冷たい硬質なイメージだったし。
スカーレット、アンシア、ブリーザ
これらで表現されるパッションが
男役で表現されることはないのかな。

あんなに急いでトップにしたんだから
コムちゃんが舞台で輝いていないと
なんのために…という気持ちがわき起こって
気持ちが暗くなります(新専科ファンの個人的意見(^^;))。

無理にトップらしい役をさせることもないと思います。
コムちゃんにしか出来ない役をすればいい。
ルドルフ系の役で、なにか
この世にないようなものを追いかけて
ドラマテイックな悲劇に飲み込まれる
荻田作品なんていかがでしょうか。



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