キト日記
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2005年03月07日(月) エザキラ?イザキラ。(小話)

 スモークを張った高級車の後部座席。座り心地の良いシートに身体を預けるのは、プラント最高評議会議員、エザリア・ジュール。プラントと地球諸国との関係は年々悪化の一途をたどり、評議会議員たるエザリアの仕事も忙しさを増していた。情勢は、まだ戦争という言葉が出るほど緊迫してはいない。が、月やオーブなどからプラントへ移住してくるコーディネイターは後を絶たない。

 緊張した世界情勢、急増するプラントの人口、それに伴う職などの諸問題、問題は山済みで解決しても次から次へと新たな問題が持ち上がる。満足に休みを取ることもままならない激務に、エザリアの疲労は溜まる一方だった。
 窓越しに流れていくのは自らが治めるマティウス市の洗練された街並み。アプリリウスでの連日の会議がようやく終わっての十日ぶりの帰還だ。

 「ん?」
 通りに面した公園の中に、エザリアは人影を見たような気がした。
 「止めろ。」
 深夜に外に出ることは、さして問題ではない。マティウス市の治安はいい。だが何となく気になった。車を降りるとやや冷たい夜風が頬に当たる。エザリアの後ろには護衛を兼ねた秘書官が続こうとしたが、手でそれを制して歩き出す。
 建物と道路に囲まれた、さほど大きくはない公園。緑に茂る木々の間、控えめな灯りに照らし出されるていたのはブランコを寂しげに揺らす一人の子供だった。
歳は12くらいだろうか。髪型と服装から男の子だと分かる。足元には夜の散歩というには似つかわしくない大きなカバンが置かれていた。
家出か?エザリアはゆっくりと子供に近付いた。

 「坊や、こんな時間にどうしたんだ?」

 エザリアの声に、子供が顔を上げる。茶色の長い前髪の間から紫色の瞳が覗く。零れ落ちそうな大きな瞳を見開き、エザリアを見返してくる。
その瞳に涙の気配を感じ取る。泣いていたのか、泣きそうなのか。

 「家は近くなの?ご家族は心配しているんじゃないの?」

 屈んで子供に視線を合わせ、エザリアは優しく微笑んだ。

 「・・・・・。」

 エザリアの言葉に、子供は瞳を揺らし顔を伏せた。
大方、家族と喧嘩をして飛び出してきたのだろう。治安がいいとはいえ、子供が一人で出歩くのに適した時間ではない。
エザリアも同じ年頃の子を持つ母。我が子イザークを思い出し、この子を待つ母の気持ちを思い、家まで送ってあげようと決めた。

 「私が家まで送ってあげよう。」
 「・・・・・・・・。」

 子供は顔を伏せたままだ。

 「・・・ああ、名前を言っていなかったな。私はエザリア・ジュール。」

 そっと頭の上に手を乗せると、ようやく子供が顔を上げた。
目の端に涙をためた子供に、もう一度微笑む。

 「君の名前は?」

 「・・・キラ。キラ・ヤマト。」

 それが全ての始まりだった。
ほんの偶然と気まぐれが運ぶもの、それを運命と呼ぶならばこれは運命なのだろう。



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 えーと、FTPの調子が悪くてどーにもこーにもなりません。フリーソフト漁ってこよう。というわけで日記でちょっとアップしてみました。
・・・・・・・・・・エザキラ?いや、あの、子供イザ×キラ(&かも)目指します。ほんわかほのぼの兄弟っぽい感じで。ほんの序だけ。


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