私が履修する内で、
最もデンジャラスな講義が水曜4限・英文学演習�毅帖�
生存それ自体が事件っぽいおじいちゃん講師が、
毎回必ず30分遅刻しながら現れる。
文学部の規定によれば、
講師が30分間来ない場合、その講義は休講扱いとなる。
しかし彼は29分くらいのところで上手に登場する。確信犯?
そしてハゲシク言い訳する。
「いやぁ〜、まいったまいった、このプリントをね?
みんなに渡したくてねぇ〜!?
あのコピー機はおかしいんだなぁ、
ん〜もう毎回大変なんだ、これが」
こないだの言い訳はもっと凄かった。
「研究院生のみんなに柿をむいてね〜。
配ってあげようと思ってね?
いやあ、10何人分も柿をむくっていうのは、
なかなか大変な作業だったんだねこれが!!
いやぁ〜、ごめんごめん」
と、言ったところで停止。
生徒全員、焦る。
ついに「その時」が来たか、と思わせる程長い間、
おじいちゃん沈黙。
……。
「……ん、そういうわけだ。出席出席…」
……その「間」、毎回、やばいほど怖いんですが……。
彼はこの後、30分間かけてゆっくりと出席をとった。
先生のしてくれる話はとても興味深くて面白い。
でも授業は事件だ。
興味深い英文学の講義の間に勃発する、
彼の「事件」は数え切れない。
ひとつ揚げるなら、こんな発言があった。
「このトマス・ハーディの本をね、
これからゆっくり読んでいくわけだけど。
もちろん、サーッと素早く、
それこそ 脱兎のごとく 読み進めることもできるよ?
でもゆっくりとやっていこうと思うんだ」
思わず友人を見ると、「確かに速そう」と言われた。