ビー玉日記
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2006年06月14日(水)  小旅行

明日の早朝からの会議に備えて夕方から移動開始。
遠い、というのは知っていたんだけど(だから前日から移動するんだけど)、実際東京から電車で4時間半かかるとなると相当遠いと実感。
4時に会社を出て、ホテルに着いたのは8時半過ぎ。

乗り継ぎの駅でのこと。
ホームでトイレを探していたら、こんな看板が。
「トイレ ホームのはずれ→」
ホームのはずれ。
トイレまで距離感出てます。
電車の扉が押ボタン式なのも慣れなくてドキドキした。

ホテルに着いた時には空腹で倒れそうだった。
本当は2時間半の電車の移動中にお弁当でも食べればよかったんだけど、食欲をそそるものがなかったので着いてから何か食べよう、と思っていた。
……甘かった。
ここは東京ではありません。
夜中に出歩いて買い物ができる生活をしていると、ついついそれが常識の範囲ではないということを忘れてしまう。

ホテルで周辺地図をもらった。
ほとんど居酒屋。
ホテルの周りの店は、どう考えても女一人で入るのは違う感じだったので、コンビニを目指して歩いた。
その途中で、暗い夜道に「うまいもんが食いたい」という小さな看板がピカリ。
「そば・うどん」というのぼりがはためいている。
ああ。まさに私の心の叫びを文字にしたような。
なぜわかるのですか。

腹ペコの私は、コンビニに到達する前にその不思議な看板の罠にはまり、ふらふらとその小さな家のようなお店の引き戸を開けた。
カウンターだけのこぢんまりした居酒屋。
いかにも昔の日本の家、という雰囲気を演出している内装(柱や天井の高さから言って、ベースは本当に古い建物なのだと思う)でありながら、さりげなく小さな音量でジャズが流れている。
奥でニッコリしたご主人の感じがよかったので、安心して中に足を踏み入れた。

飲み屋に入ってアルコールを頼まないで「食事をしたい」と言うと嫌な顔されることがある。
とりあえずそれが心配だった。
恐る恐る「食事のメニューありますか」と聞くと、申し訳なさそうに、
「今日はご飯を炊いてなくて、うどんか蕎麦しかないけど、いい?」
という答え。
もちろん。麺を食べたくて入ったんです。

危うく行き倒れになりかけたところ、どうにか月見うどんをお腹におさめ、しかもうどんを茹でている間に調子に乗って梅サワーを飲み、息を吹き返した。
(時間も遅く、アルコールを入れる気はまったくなかったのに、飲んでもいいな、と思わせる雰囲気があった。不思議。)
ご主人とちょっと会話している合間に、そっと三つ葉のおひたしとサンマを甘辛く煮たものが差し出された。
東京から一人でやってきた飢えた娘に、土地の美味しいものでも、と気を遣ってくれたのだろう。

一人であまりにも遠いところに来てしまった、とさすがに心細くもあったのが、なんだか楽しくなった。


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