ビー玉日記
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2001年07月23日(月)  戦争の話

以前の会社で時々自費出版の本を作ることがあった。

特攻の生き残りの人の手記を手がけたことがある。
日曜日に出勤して写真のスキャニングをした。
本当にセピア色のとても古い写真で、一枚一枚手にとって眺めた。
若い男の子たちの軍服姿。
自分より年下の男の子たち(まだあどけない笑顔の10代から20代そこそこ)が、笑っている。
そう、男性というより、男の子だ。
自分と同い年ほどの男の子は隊長で、みんなに慕われながらも隊をまとめて、先陣切って空へ飛び込んで行く。
出陣前日の、散髪の写真。
お互いに髪を切りながら笑っているその裏で、彼らは何を考えていたんだろう。
どんなに神妙な顔をした凛々しい写真よりも、笑顔の写真に胸が痛んだ。

生き残ったその作者は、飛行機の不調により敵機まで飛ぶことができないまま終戦を迎えた。
「死なずにすんでよかった」なんて簡単に言えるほど、シンプルな問題ではない。

これを作るまでは、特攻というものに対して、なんてバカなことをしたんだろう、意味もないのに、とただそう教わった通りに思っていた。
たしかに攻撃を加えるという点では無意味だったかもしれないけど、それだけ必死で親や兄弟や友人たちを守ろうとしたんだと思うと、とても切ない。

日曜にテレビで特攻隊員の話をやっていてふとそれを思い出した。
いつか私はこれを題材に何か書けたらいいなと思うけど。
とにかく、一人でも多くの人たちが、このことを忘れずにいることだ。

靖国参拝でなんだかごたごたしているけれど、慰霊をすることがそんなにいけないんだろうか。
もちろん虐殺や慰安婦やその他諸々日本兵が他の国の人たちにやったことを否定したりするわけじゃないけど、国の為にと信じて死んだ人たちのために手を合わせたって、いいじゃん。って私は思う。それはそれで問題なのかな……。


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