へそおもい

2018年02月18日(日) チェンマイ4日目

チェンマイ郊外には
ドイステープという山があって
観光地のある山のお寺を通り過ぎて
奥に行くと
ドイプイという
モン族の村があると
教わったので。

きょうは
バイクを借りて
二人乗りで山へ走ることにする。

運転の激しいタイの道を
最初はビクビク
でもなれると
なかなか爽快なバイク旅。

途中観光地の滝で
余計な寄り道をしてしまったが

人の多いドイステープは
通り越して
目的地のドイプイの村へ。

その山あいの村は
おみやげ物屋さんがずらり並んで入るものの
昔ながらの山あいの街並みの
風情が残っていて
なかなか心地がよい。

ネパールトレッキングをした時に
通る山あいの村々と
似ていて
とても愛おしい
懐かしい気持ちになる。

ゆっくりと村を散策。

子どもたちの声が賑やかな学校
道端でだべるおばちゃん
音楽を聴きながら
トイレ番をするおじさん。

その音楽の
優しくて美しいこと。

アイヌの歌い語りと
とても似ている気がした。
モン族のうただという。

村の奥には
10バーツ払って入っていく。
ゆるーいお土産やさんがならび
観光用に手入れされたお花畑や
小屋の中に古道具を並べたような「ミュージアム」
斜面の上の眺めの良い場所に
カフェがある。

コーヒーを頼み
眺めのいい席に座ろうとすると
奥の方でおばあちゃんとお兄さんが
コーヒー豆の選別をしている。

喋りかけてみると
この豆はこの地域で取れた豆。

昔モン族は阿片を育てていたけど
今はコーヒーを育ててる、
とお兄さんは笑う。

わたしも生豆を家で焙煎してるという話をすると
お兄さんが自分の焙煎機を見せてくれた。

モン族のお兄さんは
バンコクに出て
お寺に住みながら
コーヒーの勉強をしたそうだ。

自分の村に戻って
自分の手でコーヒー屋を建て
今は家族でお店をしているのだという。

先ほど一緒に豆の選別をしていたのは
おかあさん。

モン族のうたを聴きたいと言ったら
スマホから
またとても美しい歌をきかせてくれた。

カオの腕に鳥肌がざっとたち
わたしは涙がでた。
その感覚を
言葉もほとんど片言同士の
そのお兄さんと
一緒に共有できたことが
奇跡のような
大切な時間だった。

お兄さんから
新鮮な香りのいい生豆と、
心を込めて焙煎した豆を
買わせてもらった。

夕暮れの時間。
村を出て山を降りる。
山道はバイクで走っていると肌寒いほど。

宿に戻って一息ついて
夜は石川さんと
餃子のうまい中華屋へ。

隣のテーブルの
謎のおじさんが
ずっと水だけ頼んで
こちらを見ていたのが
不思議だった。

夜は
コトンと眠れた。


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はたさとみ [MAIL]

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