へそおもい

2016年09月19日(月) ゆわんゆわんした

やっと
湯湾岳にご挨拶にいけた。

湯湾岳は奄美での最高峰。
アマミコとシニレクという
男女の神様がおりたった山と
言われている。

移住したからには
ご挨拶に行かねばと思いつつ
一年以上経っていた。

昨日ふと
思いついて
オトコビトと共に
唐突に
出かけることにした。

遠くに台風の気配があるものの
ぴかぴかの澄んだ陽光。

登り口で
l兄にばったりであった。

l兄は、
あっちの集落からずっと離れたこっちの集落まで
信じられないくらいの距離を
よく歩いている。

以前会ったのは
加計呂麻島だったが、
まさかまたこんなところで
出会うとは!

アマミコに引き合わせてもらったんだよと
I兄が笑う。

湯湾岳にお参りした後
マテリアの滝にも
行ってみた。

みんなが行く道ではない
蜘蛛の巣が張った山道を抜けて
滝にたどり着いた。

滝にのびる川に足をつけて
蝶やトンボや
空の映る水面を眺めて
しばらくぼんやりした。

わたしは
やっぱり
山が好きだと思った。

奄美に来てから
大好きな山が
崩され傷つけられている現場によく出会う。

刻々と山の形が変わり
土砂が海に流れて
海が濁ってゆくのを
風の流れが変わってゆくのを
目の当たりにする。

心の奥で
泣き叫びたくなるほど
いたい気持ちになる。

だけど
それをやっている人に
その思いをぶつけたとしても
なにもならないと感じる。

そこには
例えて言えば
地球の空気の中にうっすらと撒かれた
なにか判断力を失わせる
薬のようなものがあるように思う。

直接
関わっている人だけが
わるいわけではない。

それは
なにか人の心の
恐れのようなものを刺激する。
なにも感じないように
させてしまう。
自信を失わせたり
卑屈にさせたり
それを紛らわせるための
逃避するためだけの
快楽を提供するような。

なにかなにか
そんな
みえない
エネルギーが
あるように思う。

それは
わたしの心の中にも
あると思う。

まず
わたしにできることは
それに
向き合うこと

そうして
恐れからではない
行動を
選択していくこと。

わたしは
それをしたいんだと

水の流れを
ぼーっと眺めながら
いっぱいいっぱいの
気持ちで
思っていた。

地球は
美しいけど
生きづらい。

弱いわたしは
すぐに心折れそうになるけれど

もう少し
内側に近くなって
自分の真ん中のリズムで
歩けるようになれば

いまの人生の課題も
楽しくなってくるのではないかと
そんな風に
思った。

実際
ある視点から見れば
自分の人生は
相当たのしいなあとも
思っている。

毎瞬毎瞬が
冒険と創作だ。

とにかく
奄美の山を
うろうろして
ゆわんゆわんと
いろんな気持ちになって
なんだかぽっかりともなって
夜には腹がすわって
元気が出てきたのだった。

山に
ありがとうって
思った。

山はいいな。
山をもっと
歩きたいな。

もっと
歩くよ。


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はたさとみ [MAIL]

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