ゲロの川の川辺に いるみたい。
ゲロのわりには そんなに においがしない。
小さな舟が一艘 ぷかりぷかりと やってくる。
あ、 わたしが のってる。
わたし ゲロの川を 小舟でくだっていたのか!
人は 気づかないうちに ゲロの川を すすんでいるものである。
突然ゲロだと びっくりするが
水が いつのまにか すこしずつ ゲロになっているので
ふつうだとおもって 気がつかないのである。
気がついてしまうと たまらなくなって
舟の上にたって 嵐をおこす。
くるくるとまわって 手をでたらめに うごかして
雨がふって 風が舞う。
ごおごおと ぐるぐると ざあざあと
ぜんぶ 流されて 吹き飛ばされて
さいごには
美しい 水の流れだけが
そこに のこる。
小さな声の かすかな 言葉も
そこに のこる。
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