ひさしぶりに ケンカをした。
ケンカしているときの 自分の声がいやだ。
自分が声をはっすると その度に 胸のなかで 大切ななにかが バリバリと壊れていくような 感じがして つらい。
それなのに 口から 言葉がでてしまって
どんどん 壊れて崩れて バラバラになって いてもたってもいられなくなった わたしは カラダから ぬけだして ながめている。
ながめるのは 痛くないから 楽なんだ。
ぬけがらのカラダは ぬけがらのまんま 風呂にもはいらず 毛布にくるまって ねむっていた。
朝になると ぴったりと カラダの中に もどっていて 崩れて壊れた 胸がいたい。
ごめんねごめんねって いいたいけど いえなくて
ぴょぴょんぴょん ぴょぴょんぴょん
と
ごめんね のイントネーションで つぶやくばかり。
ぴょぴょんぴょん (ごめんね) ぴょぴょんぴょん (ごねんね) ぴょぴょぴょぴょん (ありがとう)
ぴょぴょんぴょん ぴょぴょんぴょん ぴょぴょぴょぴょん
50回くらい いいつづけていたら 50回目くらいで
ごめんね
という日本語がでてきて やっと 伝えることが できた。
やわらかくとけて じんわりひろがって 涙がでた。
あああ もうケンカは まっぴらごめんだ。
***
トイレのドアの模様が どうもきにいらない。
いったい なんの模様なんだろう。
まるで 稲妻みたいだなあ とおもったので。
トイレのドアに 小さな夜の町を つけてみました。
稲妻の一つが 鉄塔におちます。
とても広い空。 高い空。 稲妻の世界。

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