晴れたり 曇ったり
めぐみ



 バレエ

3時に届いた花束を持って
いつもと違った雰囲気の服を着て車に乗り込んだ。
まだ日射しが眩しい時間帯。
サングラスが活躍する。

「準備できたぁ?」

と、ことみちゃん(仮名)を迎えに行く。
彼女も可愛いワンピースで登場した。
予定より1時間早い出発!
が!!
高速道路は、一般道よりのろのろだった。
気ばかりが焦る。
カーナビは開場時刻を指している。

「この調子だと間に合わないかも」
「・・・」

彼女は私以上にイライラしていたに違いない。
到着予想時刻はじゃんじゃん遅れ、とうとう開演時刻になった。
流石カーナビ!とここで誉めたくはなかったが
開演ギリギリの到着となってしまった。

「なんとか間に合ったね」

と安心したのも束の間、、、駐車できない!!
ぐるぐるぐるぐる。
ようやく席に着いた時、同時にブザーがなった。
会場が暗くなり、幕があがった。



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今宵はバレエを見に行ったのだが、
以前ロシアで見たものとは全く違う空気が漂っていた。
私はよく知らないのだがこれを創作バレエと呼ぶのだろうか?
時々理解できない踊りがあった。

「芸術だーーーー」と言われれば
「は〜そうですか」と言った具合である。

遅い到着だったので、席は首が痛くなるような前、もしくは
双眼鏡が必要な程遠い席のみ空いていた。
我らは前席を選んだ。
全体的な流れと言うか形が見えないのが欠点だが
踊る人の息遣いまで聞こえてくるところは迫力あって良かった。

「あの悲し気な視線はどこを見据えているのであろう?」
そんなことを考えていた。

身体であんなにも自分を表現できる舞台上の人たちが
とてもうらやましくてたまらなかった。
それはロシアで初めてバレエを見た時にも感じたことだった。
言葉がないのに(あったとしてもロシア語では理解不能だったが)
ここまで感動させるだなんてぇと思ったのである。
予期せぬ温かいものが頬を伝わった時に自分で自分に驚いていた。



2001年08月05日(日)
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