空色の明日
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2018年10月23日(火) ポテトサラダ

好きなサラダはマカロニサラダです。
子供のころから一貫して。
マカロニが好きなのです。
子供の頃なんかケチャップで炒めたマカロニを
丼一杯食べてみたいと思っていました。

まぁ、マカロニの話はいいとして
私が思うにマカロニサラダとポテトサラダの
どちらが好きですか?と聞かれたら
ポテトサラダのほうが人気があるように思います。
なぜなら、居酒屋のメニューには
ポテトサラダはあってもマカロニサラダはあまりないからです。

しかし私はポテトサラダが好きではありませんでした。
好きじゃないから美味しく作ることができません。
材料や作り方はだいたいの想像がつくので
作ってはみるのですが、少なくともお店のよりは
美味しくなりません。

そんなある日「食べる女」の原作本を読んでいたら
ポテトサラダに関するストーリーがありました。
主人公はポテトサラダが得意なのです。
彼女が作るポテトサラダの特徴は
茹でたジャガイモに自家製のドレッシング
(オイルと酢と塩とマスタード)を先に混ぜて
馴染ませてから具やマヨネーズを入れるというもの。
なぜ先にドレッシングをいれるかというと
マヨネーズを入れてしまうとマヨネーズが
膜になって他の味が入らなくなるからだとか。

それを読んで、ふと自分のポテトサラダの味を思い出す。
マヨネーズも酢も塩も胡椒もマスタードも
まずみんなぶち込んでから混ぜていたなぁ。
すると酢がまずキツい。
塩味が全然ひきたたずぼんやりした塩味になる。

しかしこの「マヨネーズの膜が邪魔をする」という理論は
とても私の頭にするりと入ってきた。
もしかしてこの通りドレッシングを作ってみたら
私のポテトサラダの問題点は本当に解決するかもしれない!
頭の中で空想の理科実験が繰り広げられる。
マヨの油膜の下でドレッシングのしっかりと
吸収している茹でじゃがいものビジョンが見える。
こういうところが自分で理系だなぁと思う。

塩、酢を混ぜてオイルを入れる。
マスタード、少し甘みにはちみつ。
そこにジャガイモ投入!混ぜる!!!
マイルドにするのに少し牛乳をいれ混ぜる。
胡瓜とオニオンスライスを塩もみしたものを入れる。
茹で卵も1個。ハムはあまり好きじゃないので入れない。
そして最後にマヨネーズ。

入れる具材はいつもと同じ。
入れる手順を変えただけ。
なのに!!!こんなにも味が馴染むものなのか!!
あんなにバラバラだったそれぞれの材料が
きれいにまとまって落ち着いている!

料理の手順を侮ってはいけないと初めて知る。
料理の世界は化学。
物質の変化によってそれぞれの材料がひとつのおかずになる。

生まれてこれまでの長い長いポテトサラダとの確執が
たった1篇の小説でほどけていった。
さすが「食べる女」。
タイトルにふさわしい化学変化を私に起こしてくれました。


安藤みかげ