空色の明日
DiaryINDEXpastwill


2018年05月19日(土) いい音楽

弟がときどき面白そうなライブがあると教えてくれる。
こういう時、姉弟っていいなと思う。
それぞれにもちろん好みはあるけれど
たぶん生き方から派生してる部分で
共通して好きなポイントがある。

私も弟もなんとなく幼稚園くらいに
音楽教室というところに行ったけれど
弟は数ヶ月でやめてしまった。
そして高校生の頃に私のギターがいつのまにか
弟の部屋にあった。
私のレコード(ちょうどCDとレコードが入れ替わるころ)が
数枚弟の部屋に移動し始めてそれから
「これ、いいで」と弟が音楽をシェアしてくるようになった。

そして弟の子育てもずいぶん手が離れた最近
そのころの調子で「今度こんなライブあるで」
とときどきメールが入る。
正直それ以外メールが来ることはほぼない。
電話もしない。
弟なんてそんなもんだと思うのだけれど
昔と同じで音楽だけはなんとなく共通する話題として
唯一私たち姉弟をつなげてくれる。
まさかこんなに歳をとってもまだ
そんなふうにあっちから繋げてくれるとは思ってもみなかった。
だけどなんか嬉しい。
血が繋がった姉弟なんだなぁと思う。
(たぶんそんな共通項がある人が他にいないからだろうけど)

そんなわけで、リクオさんのライブに行きました。
鷹取のかばくんというカレー屋さんで
20人くらいでいっぱいになってしまう小さなお店。
アップライトのピアノ1台でマイクもなくて
しかも後ろ向きだからリクオさん、振り返り振り返り歌う。
幼稚園の先生状態ですもの。
え〜、ほんとにこんなんでいいの?
こんな贅沢でいいの?
マイクを通さない声でず〜っと歌を聴けるなんて。
あんな贅沢すぎるライブ、きっと後にも先にもないだろうな。

この前のうどん屋の浜田真理子さんでも50人以上のお客さんで
マイク通してだったけれどあれよりももっと狭くて近い。


実は最近、強い高音がものすごくつらい。
手術をしてから薬のせいなのか
光や音の刺激が以前よりも強く感じるようになって
マイクを通した声や「エレキ」とつく楽器の音を聴くと
ちょっと頭が混乱してしんどくなる。
だからライブに行くことがちょっと不安。

そんな私だから、安心して聴けて
知ってる曲がすごく少なかったのに
どの歌も素敵で退屈なんかしてられないくらい
ずっと楽しかったのがすごく嬉しかった。
あんな心に響いたライブ久しぶり。
いい音楽ってこういうことなんだなって
久しぶりに思い出した感じだった。

初めて聞く曲がみんな「いい曲だなぁ」って
思えるっていうのが、本当のいい音楽だよなぁ。
知らない曲ばっかりだと退屈しちゃうだろうと思ってたけど
そうじゃないよなぁ。
退屈したりしてたのは退屈しちゃう音楽だったからだなぁ。

ほんとに自分でもびっくりするくらい楽しかった。
リクオさん、また聞きに行きたい。



安藤みかげ