空色の明日
DiaryINDEXpastwill


2010年02月13日(土) しつけ帖

幸田文さんの「しつけ」に関する文を
まとめた「しつけ帖」を読んでいます。

もうほとんど読んだ作品ばかりですが
心に残っていたインパクトの強かった作品が
選び出され(娘の青木玉さん選)
さらにとても読み応えのあるものに。。

近頃流行の「品格」本や
社員教育のあの先生のものよりも
なぜが私には幸田さんの言葉のほうが
ずっとしっくりときます。

たぶんそれは「しつけられた立場」から
書いてあることと一言ずつ言葉が選び抜かれて
書かれているからだと思います。

自分の受けたしつけは、その親の尺度。
時には人の素敵な所作をみて
「あぁ、こんなしつけを受けてこなかったな」と
恥ずかしい思いをすることもあります。
そんな抜け落ちた部分をいまさら
教わることができる相手もおらず
この年になってこういう本に出会うのは
とてもありがたい思いです。

エッセイとはいえその言葉は
とても耳障り(読みざわり)がよく
無駄はないのに美学に満ちていて
それもまた幸田露伴を父として
言葉を慎重に選びおそろかに使うべきでないことを
きちんとしつけられたが故のこの文であると思います。

っと、そう書く自分の言葉の語彙の乏しさに
おろかさを感じるものです。。。


私はどうも、あの社員教育の先生が苦手です。
どこが一番苦手かというと
男言葉を使うからかもしれません。

お客様に丁寧な言葉を使うことはもちろんですが
「使い分け」すぎると思うのです。
叱られ慣れない人には、そういう使い分けも
ショック療法としてよいのでしょうが
私は「あぁ、この人のようになりたい」
と思える人の言葉のほうがすんなり入ってくるので
お客様の前だけでなく普段の言葉の使い方も
しなやかな方に憧れます。
厳しい言葉というものは、別に乱暴な言葉でなくても
いくらでもあるものだということを
「しつけ帖」の中でまざまざと知らされます。
しかもたった一言で。

とはいえ、私も関西人。
毒舌を吐くときには相当なひどい言葉を使い分けるので(笑)
あまり人のことを言えたものではありませんが。

先日久々に魔女と会う機会がありました。
彼女は語彙に富んだ人で、的確な言葉で
端的に、しかしみずみずしい表現をします。
自分が普段、読みはしても使わない言葉を耳にするのは
とても新鮮な気持ちになります。
それでふと幸田文さんの文が読みたくなったのです。


安藤みかげ