空色の明日
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2002年01月27日(日) 誇り高き友人

友人の舞台を見に行く。
お芝居を見るのは久しぶり。
私が歌っていた時には彼女はよく見に来てくれた。
だからというわけでもないけれど、友人の作り上げたものを見に行く事は
とても誇り高く幸せなことだと思っていつも必ず見に行くようにしている。


大正から昭和初期にかけての頃の女流作家4人のそれぞれの
エピソードを絡めた今回の作品。
かしましく、なんだか友達の家に行ってるような感じだった。
それぞれの抱える悩みは、今の私たちにも通じるようなものばかり。

書けない状態にいらだち、他の3人に嫉妬する1人に向かって別の1人が
「あなたは涌き出る泉の真ん中に立って『喉が渇いた』とダダを
こねているようにしか見えない。
その足元で泉をかき回して水を澱ませながら・・・」
というようなセリフにドキリとした。
今の状態に甘んじて愚痴ばかり言ってしまいがちな自分を省みる。


出演していた友人のみきちゃんは劇団内でも最年長。
小さくて女らしくて可愛らしくて優しい彼女なのに、最年長ということ
からかいつもキツイ女の役ばかり。
本当はのんびり屋で柔らかい物腰なのに。

でもそんな彼女が舞台では別人の「キツイ女」にちゃんとなって叫んだり
わめいたりしているのを見て、毎回彼女の意外な一面を見られて
とても興味深かった。

だからむしろそんな役の彼女しか今までの舞台では見られなかったのだけれど、
今回は出演予定だった人が出られなくなり、急遽その代役として
回ってきた役でとても可愛らしい、優しいのんびり屋の役だった。
本来私の見ていた彼女が舞台の上に役として現れてなんだか嬉しかった。
今まで見たこともなかったピンク色の可愛らしい着物が血色のいい
彼女の顔によく似合っていた。

そして悩みを抱えたそれぞれの女流作家にいつも適切な言葉を
優しくかけてあげるその役のセリフが、なんだか一言一言私に
語りかけてくれているようで途中で何度も涙が出そうになった。

舞台が終わってから、着替えを終えてロビーに出てきた彼女に
「今日この舞台を見ることができて本当によかった。
今の私に必要なことがいっぱい詰まっていたから。どうもありがとう。」
と言うと、彼女は本当に心から嬉しそうな顔をしていた。

私の心を動かすそんな作品を演じた彼女を誇りに思いながら、
少し笑顔になって帰路についた。


安藤みかげ