空色の明日
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2001年12月19日(水) 体温の寝床

冬、寒くなると毎朝ベッドの中で泣きます。
この温かい体温をまとったまま今から始まる今日一日を
過ごせたらどんなに幸せだろうと。

けれど、何度も目覚ましが鳴って、とうとう観念して
そして意を決して「エイヤッ!」と体温の寝床を抜け出します。
そして冷たい空気の中、服を着替え、髪をとかし、お化粧をして
熱いお茶を1杯飲んで出かけます。

毎朝、この過酷な儀式をなんとかかんとかクリアしているから
人は厳しい毎日を生きていけるんじゃないかとさえ思います。

今日ひさしぶりに「海の上のピアニスト」を急に観たくなって
ビデオをひっぱりだしてきて観ました。
生まれ育った1隻の客船を1度も降りないピアニストの話。

初めて観た時はそれほど大きく感動しなかったのですが
後から後から段々この映画が訴えるテーマが自分の中から
わかってきたような気がします。
その1つがこの「体温の寝床」。

人は心の中にもこの「体温の寝床」を持っています。
この寝床は毎朝抜け出すのに苦労している寝床よりもずっとずっと
温かく、居心地がよく、いくら愛する人や親友が呼びかけても
抜け出せないほどの深い深い寝床です。

「海の上のピアニスト」にとってはこの船が「体温の寝床」。
どんなに陸に憧れがあろうとも愛する人がそこで待っていようとも
どうしても抜け出せない寝床。
そしてその寝床は自分たった一人しか入れなくて、その寝床には
どんなに大切な人も一緒には入れなくて、その葛藤を
孤独と呼ぶような気がします。

でも大人になってこの「体温の寝床」の深さを感じるようになって
そこから顔を出せる人は強い人です。
反対に全くそこから出ないと決められる人も強い人です。
出ようか、出るまいか、毎朝と同じようにグズグズ言ってるのが
ほとんどの人なのかもしれません。


あ、そうそう大阪のみなさんはテレビ大阪で12月31日の
21:30〜この「海の上のピアニスト」がオンエアされますので
是非観てください。


安藤みかげ