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2008年08月24日(日)

部屋の灯りを求めて、窓のほんのちょっとのすき間から、黒くて小さな虫が飛んで入ってきました。

正直に白状すれば、私は虫が大嫌いです。
虫というより、虫を殺すことが、どうもニガテです。
そのため、入ってきた虫の運命は、母にたくすことにしました。

まず、私の部屋の電気をすべて消して真っ暗にしました。
こうすると、灯りを求めて台所に飛んで行ってくれるはず……。

でも、もうずいぶんと体が弱っている虫は、なかなか光の方向に気付いてくれません。

そのため、洗面所の電気をつけました。
洗面所の灯りでおびき寄せ、ひとまず私の部屋から出て行ってもらう作戦です。
5分ほど待ったすえ、虫はひょこひょこと灯りのほうに歩き出しました。
やった!

さらに洗面所の電気も消して、母のいる台所の灯りだけが目立つようにしました。

……。
ひょこひょこ……。

やった!
作戦どおり、台所に向かって虫が歩き出しました。

ひと安心して部屋に戻り、電気をつけましたが、今度はどうも虫の行く末が気になります。

せっかく灯りを求めてやってきた虫。
残り少ない命のなか、やっと安心したところなのかもしれない。

などなど、いろいろ虫の気持ちを考えると、いてもたってもいられません。

こっそり台所に様子を見に行くと、ちょうど母の足元を虫がひょこひょこ。

あぁ、このままだと、踏まれてしまうかも……!

「虫、いるよ」と思わず私。
「どこ?」と母。
「足元」と私。
「あ……」と母。
「ど、どうするの?」とおそるおそる母に尋ねました。

「なんにも。せっかく入ってきた虫なんだから、家族と思っとき」

……。
……………。

母は、偉大だ……(汗)。


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