紫
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久々に湯船につかりました。
今までは暑かったのと私の帰りが遅いのでシャワーばっかり。
きょうはさすがに寒くて、浴槽にお湯をはりました。
……ちゃぽん。
湯船につかった瞬間。
むしょうに胸が詰まりました。
あの日。母は言いました。
「きょうは、もうお風呂はやめようか」
悲しいとき、泣きたいときには熱いお風呂に入るのが私に元気のもとだけど、仕方がありません。
「……うん」
と言いながら、母が寝静まってからシャワーを浴びようと思いました。
とはいえ、寝静まるはずはありません。
深夜になってからでしょうか。
母がいきなり私の部屋にやってきました。
「やっぱり、お風呂、焚こうか」
「うん」
「こういうときこそ、お風呂に入らないとね」
「うん……」
そうして、私はその日の苦しいくらいの悲しみを、湯船で洗い流しました。
何度も何度も顔を洗い、あしたとあさっての「式」に向けて準備をしました。
きょう、久々につかった湯船は、あのときの気持ちを呼び起こし、突如として訪れた悲しみを、また湯船で洗い流しました。
悲しみを呼び起こす要因はいくつもあります。
湯船であったり、母といっしょに食べた立ち食いうどんであったり、葬儀の後に、あたためて食べたカレーやハヤシライスの味だったり。
まだ、1年、経ってないんだもん。
悲しみは、当たり前、ですよね。
まだまだ、悲しんでいて、いいんですよね。
おやすみ。
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