紫
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小学校4年生のとき、兄に「入門」したことがあります。
何の入門かというと「将棋」です。
将棋のめっぽう強かった兄は、おとな顔負けの子ども棋士でした。
町内会のお父さんたちを次から次へと負かせ、市の将棋大会でもおとなたちと混ざって、けっこう上位まで勝ち進んでいました。
きっかけを与えたのは、もちろん父。
それでも、兄は持ち前の天才的頭脳と執拗なくらいの好奇心で、どんどん、どんどん、詰め方を覚えていったのでした。
そんな兄に入門。
理由は、従兄弟に勝ちたいから。
正月に、従兄弟と将棋をさし、大敗。
「おまえ、それでも妹か?」
とバカにした従兄弟にどうしても勝ちたかったから。
駒の動かし方や囲いのしかたは知っていましたが、攻めの将棋ができなかった私。
「王」を守ることだけでせいいっぱいでした。
そんな私に、兄は根気よくそして厳しく、攻めの詰め方を教えてくれました。
結局。
私はまったく何も覚えることがないまま破門となり、兄は中学校に入ると将棋をやめてしまいました。
でも。
あのとき、兄に入門してよかったな、と思います。
囲いの将棋しかできなかった私に、攻めの将棋を教えてくれた兄に、今は、ちょっと感謝しています。
おやすみ。
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