紫
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「これ、どうやるんでしたっけ」
古巣で仕事をしていると、社員同士が話していました。
「えーー、やったことがない。知らない〜」
どうやら、ネームシールを打ち出すマシンのシールシートが切れた様子。
新しいシートを補充しなければいけません。
でも、周囲に知っている人がいないらしく、立ち往生していました。
その様子を見ていて、ふと私が入社して間もないときのことを思い出しました。
きょうと同じく、シートが切れてどうしよう、とやはり立ち往生していると、「取り替えましょうか」と、声を掛けてくれた人がいました。
「覚えてくださいよ」
そう言いながら、丁寧に補充の仕方を教えてくれました。
そして、当時の私のメモ帳には、しっかりと「ネームシートの補充方法」が記されました。
当時は、いろんな人がその方法を知っていたように思います。
もちろん、私も実際にメモを見ながら取り替えたことがあります。
そして、私が教えてもらったときと同じように、補充方法を教えたこともあります。
「取り替えましょうか」
言い慣れた言葉が喉のすぐそこまで出掛かっていたのですが、飲み込んでしまいました。
補充方法を覚えているわけはなく、当時のメモ帳も、今は押し入れのダンボールの中で眠っています。
古巣とはいえ、辞めた会社。
仕事以外のことに、でしゃばらない立ち入らない。
そんなふうにしていないと、ふと覚える錯覚に自分の居場所を見失ってしまいそう。
古巣のなかで仕事をする。
一抹の寂しさを感じる瞬間に、ときどき出会います。
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