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2004年09月10日(金) 読唇術

人と話すとき、私はあまり口を大きく開けません。
だから、聴力障害者には申し訳ないのですが、おそらく読唇術は使えないと思います。

口を大きく開けずに話す癖を、ときどき人から指摘されます。
そのときは、「父が東北人なので」ということにしています。

東北の人は、寒いからあまり口を開かずに話す。

そんなことを聞いたことがあるし、実際にそうみたいです。
だいたいの人は、それで納得してくれますが、実は、学生時代までは、ふつうに口を開いて、話していました。

では、いつからあまり口を開かなくなったのでしょう。
いくつかのきっかけが、あります。

まず、最初のきっかけは、社会人になって、車で営業をしはじめたとき。
車のなかで、得意先の人との話し方をひとりでシミュレーションをしていました。
「まいど〜」の言い方まで、練習しました。
それから、注文をとるまでの「話術」も練習しました。
その練習のときに、車のなかでひとりでぺらぺらしゃべっているように思われたくなくて、口をあまり開かずにしゃべっていました。

この練習が功を奏したかどうかは、わかりません。

2つめのきっかけは、社会人になって初めて、課で暑気払いがあったとき。
二次会のカラオケでは、まずは新人から歌を歌わなければいけませんでした。
何をするにも、新人から…という昔ながらの社風の会社。
得意先との接待でも、やはり歌は「若い人から」という風習があります。
もちろん、歌わなければ叱られます。
ただ、音痴な私は、人前で歌うとますます音痴になってしまいます。

その暑気払いの前日、一生懸命、車のなかで歌う練習をしました。
その練習のときに、車のなかでひとりで歌っているのが恥ずかしくて、口をあまり開かずに歌っていました。

この練習が功を奏さなかったことは、間違いありません。

それから、あまり口を開かずに話す癖がついたように思います。

きわめつけがその数年後。
「2001年宇宙の旅」という映画を観たとき。
コンピュータのHALが、乗組員の口の動きを読んで、秘密の話を知り、次から次へと乗組員を殺していく、という場面があります。

あのとき、口を動かさずに腹話術のように話していたら、HALは、読唇術が使えずに、無事にHALの動きを止めることができたのではないか。


………。

それから数年経ちますが、そろそろHALの動きを止められるようになっているかもしれません。
いえ、ホントは、ふつうに話したいのですが…。

おやすみ。


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