紫
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「あれれ?」
自転車にまたがったとたん、前輪がぺしゃんこになりました。
こぐと、がっくんがっくん。
「パンクしてる…」
幸い後輪は大丈夫。
昨日の夜までは元気にしていたのに、きっと夜のあいだにイタズラされたのでしょう。
なんだかショック…。
それでもがんばって乗って、用事をすませたあと、近所の自転車屋さんに行きました。
この自転車を買った自転車屋さんです。
「あらら、2つも貫通しとるで」
「はぁ……」
パンクを修理してくれる自転車のおじさんの職人技、なんとなくしょんぼりモードも解消。
子どものころもよくこうして近所の自転車で、パンク修理をじっと見つめていたっけ。
そういえば、私が見つめていた職人技は、パンク修理だけではありませんでした。
3軒隣のクリーニング屋さんが、てきぱきとシャツをたたむところや、3分ほど歩いて行ったところのラーメン屋さんが、あつあつの手際よくゆでた麺を鉢にうつす瞬間。
ラーメン屋のとなりの新聞屋さんが折り込み広告をパサパサとはさんでいくところ。
家の裏手にあったお茶屋さんが、お茶をていねいに量ってぼそぼそっと袋に入れていく様子。
父親が口に小さなクギを加えて、トントンと私のおもちゃを作ってくれているところ。
母が、洗濯物をパンパンと叩いてしわを伸ばす技。
何もかもが目新しくて面白くて、じっとじっと見つめていました。
「はい、できあがり」
自転車職人さんが、5分もかからずに、パンクを直してくれました。
どうもありがとう。
パンク修理1000円。
1日に自転車は何台売れるのかな。
そんなことを考えながら、軽くなった自転車に乗って帰りましたとさ。
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