不動産担保ローン チラシデザイン コンのみ日記
コンのみ日記
紫 |MAIL

My追加
目次過去の日記未来の日記


2003年11月05日(水) 天ぷら屋

大学4年のときに、半年ほど天ぷら屋さんでアルバイトをしたことがあります。
もともとその店でバイトをしていた友からの依頼でした。

「その店のお母さんが手を怪我しちゃって、大学を卒業するまでのあいだ、手伝ってほしい」

ほかにもアルバイトはしていたけれど、授業も少ないし、卒業論文も順調だし、卒業旅行で北海道を旅する資金も欲しいし…ということで、お手伝いすることにしました。

飲食店は、チェーン店でしかアルバイトをしたことがなかった私には、その天ぷら屋のアルバイトはとても新鮮でした。
お父さんとお母さんと、そのときは私と同じ大学生だった1つ年上の板前修業中の息子の3人、それから出前のアルバイトと店内お運び役の私。
5人で26席の小さなお店のランチタイムを切り盛り。
駅から離れた裏通りにあるにもかかわらず、12〜13時のあいだは、店用と出前用の料理を出すのでてんてこまいでした。

江戸っ子のお父さんが天ぷらを揚げ、その隣で息子が盛り付けをし、それからお母さんがごはんやお漬物をよそって、私がお盆に並べてからセットしてからお客さんのところへ運びます。
そのあいだに、出前が何度も出たり入ったりしています。
そんな流れのなかにいる自分に、ときどきふと気づいて、わけもわからずうれしい気持ちになる私。
誰か一人でも欠けると、この流れがおかしくなるんだろうな、と思うとなんだか寂しい気持ちにもなりました。

まかないには天ぷらは出てくることはなかったけれど、卵の浮かんだお味噌汁と、お母さん自家製のはくさいの漬物がとてもとてもおいしくて。
今もよくお味噌汁に半熟の卵を入れて食べては、当時のことを思い出しています。
なんといっても、私はその仲のいい家族が、とてもとても大好きでした。

今年の正月、その家族からきた年賀状に、

「店を閉じて、今は立川のほうに隠居暮らしをしています」

と書いてありました。
店を継ぐはずだった息子さんのことは、一言も書いていません。
卒業して約10年。
ふらりと立ち寄ることのできる店が、ひとつ減ったことに一抹の寂しさを感じた今年の年賀状。

そろそろ、年賀状が発売される季節になりましたね。


目次過去の日記未来の日記


紫 |MAIL

My追加