+シコウカイロ+
此花



 

認められたい
褒められたい
愛されたい
許されたい

ほんと欲望だらけというか
底なしっていうか
欲深く罪深い生き物だ

どうしようもなく
嬉しくて
それなのに悲しくて

君はこんな僕を愛してくれるけど
僕には君が愛してくれるだけの
価値がないってわかってるから
君から与えられるものの重さに
苦しくなる

不安でどうしようもなくなって
消えてしまいたくなるのに

許して貰いたくて
愛されていたくて
誰かと繋がっていたい
必要とされていたい


愛されれば愛されるほど
自分の非価値に気付かされて
存在意義を失う


才能のある人を見る度に
自分の価値に絶望する
それが悔しくて苦しくて
努力するけど
僕の努力なんて
誰も気付かない程度の変化しか生まない

どうして上手くできないんだろう
どうして上手くならないんだろう

一度は逃げ出したのに
また戻ってきては
変わらない自分にまた絶望する

繰り返し繰り返し

言葉のない期待に
顔色を伺うだけの平穏を望んだ
自分の未来を
自分で選択することは出来ないのだと知った
僕が未来について真剣に悩んでも
それはいつだって否定されるだけで
それでいて
次の選択を左右するという事実を
僕が理解するまで真剣に話してくれる人もいなくて

誰も見てなかったくせに
言葉にしなかったくせに

いつだって最後に結果だけ見て言うのだ
「お前はダメな子だ」と。

期待もされてなかった
人並みで普通に。ただそれだけだった。
大事にはされていたと思う。
でもいつだって望まれた良い子でいろと
言われていただけだった。
それでも好きなことをもっとやってみたかった。
才能がないんだからと言われるより
自分で気付いて、そこから努力してみたかった。

でも結局自分で選んで箱の中にいただけだった。
無数に繋がる糸を切って
全てを捨てて飛べば良かったのかもしれない。

ここが新しい君の居場所だと
誰かが手を引いてくれた
そこには誰もいなくて
僕は一人になって
また箱の中の生活になった
君は優しいけど
たまにしか僕を見ないから
時々寂しくて
外に出ようとしたら君は僕に糸を結んだ
それはゆるくゆるく僕を縛る

自分から動く気力がなくなって
他人に言われたら
期待に応えなきゃいけないのにと焦る

だけどどうしても動きたくない時があって
君は物言いたげに俺を見て
横をすり抜けていく

嫌われるのは怖い
愛されないのは怖い
誰にも必要とされなくなるのは
もっと怖い

叫びたくなって
逃げたくなって
でもどこにも行けなくて
誰にも言えなくなる


どこまでも
どこまでも
一人で
たまに君の手を取って
言えない言葉だけが
涙になる



2012年04月18日(水)
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