椰子の実日記【JOYWOW】
2008年06月18日(水)
国語の衰退

ブータンは「民主化」の波が一気に進んでいる。 あるニュースで見たのだが、田舎町プナカから 首都ティンプーへ野菜を売りに行く家族の姿が あった。帰りには塩などを買って帰る。
「民主化」がいつの間に「市場経済化」を表現する ようになったのだろう。 ブータンでは5年前に携帯電話が、テレビは9年前に解禁 された。首都ティンプーではネットカフェが普通に 営業している。
ぼくが危惧したのは「国語の破壊」である。
ある民族の文化や思想を後世へ継ぐ役割を果たし、 いわゆるアイデンティティを確保・保持するのは 国語による。
その意味で小学校低学年から英語を義務教育に するべきである、理由は国際人を育てるため、 というのは全くオバカな発想なのである。
英語を話すから国際人、というのはアナクロチックな 発想であり、幕末の日本人は英語などちっとも 話せなかったがグローバルな着想のできる人はいくら でもいた。理由は国語が確立されていたからだ。 幕末と現代日本を比較して、文盲率は現代日本の方が ひどいのではないか。
話は戻る。
現在、絶滅危惧種は生物に362ある。対して絶滅に 瀕している言語は438もある。 その438言語は話せる人が50人より少ない。
ネットの浸透で、まずやられるのは国語の破壊 である。ブータンもまた、日本のように、
国語の衰退→文化の衰退
とならないことを祈りたい。
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