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椰子の実日記【JOYWOW】
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2008年03月05日(水)


ねこのあいびき、作品を放り出す




拙宅の庭の端っこは先がとんがった三角形の地形になって
いて、集うねこたちの間では「タイタニック」と呼ばれ、
恋する二人のあいびきの場になっている。

「ねこトイレの無力化」をはかっているが、交渉は難航を
極め、ねこと我が家両国の外交問題にまで発展しそうな
勢いである。

村上春樹は1987年頃、ローマに住んでいた。こんな
文章を残している。『遠い太鼓』(講談社、1990)

小説を書きながら、僕は死にたくない・死にたくない・
死にたくないと思いつづけている。少なくともその小説を
無事に書きあげるまでは絶対に死にたくない。この小説を
完成しないまま途中で放り出して死んでしまうことを思うと、
僕は涙が出るくらい悔しい。


『遠い太鼓』は何度もなんども読み返している愛読書だが、
このくだりに至るたび、村上春樹の気持ちが理解できない
でいた。

しかし、今は、とても共感できる。

現在執筆中の小説を放り出して、あっちの世界に旅立つ
ことは、したくない。それほど、ハマってしまっている。

 

Kei Sakamoto |株式会社JOYWOW