椰子の実日記【JOYWOW】
2005年05月07日(土)
NINAGAWA『メディア』
『メディア』(→クリック!) 観劇。シアターコクーン。 この観劇を家族から誕生日プレゼントされた。
蜷川幸雄を観るのは初めてだ。 終演後、しばらく口がきけなかった。
価値転換。
日常の中に潜む非日常を大げさな仕掛けなく すい、と見せてくれるのが創造のパワーであり、 それに触れることが創造に触れる歓喜だ。 存分に味わった。
物語は最初、「よくあるドラマ」が描かれる。 観客は常識を確認しつつ、歩を進める。 中途、さらに追い討ちをかけるように「常識」を確認する。 人は、常識を確認すると、安心する。シートに安心して 身を沈める。
ところが、後半、ぐいぐいと、その「拠って立つ常識」が 崩れ始める。 駄目押しの舞台の仕掛け。 アクターたちは、観客に問いかける。
「あなたの立っている場所は、本当にあなたが思っている 通りの場所ですか?」
悪は本当に悪なのか。 善は本当に善なのか。
絶対的だと信じている善が、いきなり相対的なものに 浮遊してしまう不安定感。これこそが創造の醍醐味。 学生時代読んだニーチェの『善悪の彼岸』という言葉 を思い出した。
ぼくはこの観劇によって、大げさではなく、人生が変わった。
観劇で人生のターニングポイントを迎えたのは 今回で二回目だ。最初はニューヨーク・オフ・ブロードウェイ 『De La Guarda』(→クリック!)
価値の相対転換。昨日は深夜まで興奮醒めやらなかった。 このような素晴らしいバースデーを「演出」してくれた 家族に感謝。
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