椰子の実日記【JOYWOW】
2005年02月14日(月)
二
東横線。 隣に掛けた女性が、シュッ、シュッ、と香水。 ぼくは強いにおいに弱いのである。 ここでいう「弱い」というのは「誘惑される」と いう意味ではなく「苦手」という意味である。 困ったなあ。このままこの強いにおいを嗅いで いると頭痛が始まるのだけど・・・そう思い、 ちら、と見ると女性は香水をやめ、今度は本を 読み始めている。本はお経である。漢字が並んで いる。お経のにおいがするなあ、となんとなく 考えた。お経のにおいって、何なのかわからない が、そのときはそう思った。 綱島駅に着いた。女性は席を立ち、ドアに向かい ながらぼくのほうを見て
ニ
と笑った。背筋が寒くなる笑いだった。
予感のまま窓からホームを見ると やはりそこにはだれもいなかった。
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