夏休みが終わっちゃったとか、また当分だるい学校が続くとか、防災訓練とか集団下校とか、九月一日には特に良い印象は何も無い。
それが特別に変わったのはいつからだったか。
ぺらりと八月のカレンダーをめくり、そのまま破り捨てる。 そしてしみじみと嬉しそうに塔矢が言うのだ。
「キミの生まれた月だね」
ただそれだけのことだけれど、毎年繰り返されるそれがおれにとってはたまらなく嬉しい。
九月一日、世の中の人のほとんどにとってはたぶんなんでも無いただの日だけれど、おれにとっては塔矢の愛情を感じるとてつもなく幸せな日です。
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