中学生の荒ぶる魂はときに廊下での喧嘩という形で表にあらわれる。 休み時間に廊下でキャーキャーしゃべっていると数クラス先で大騒ぎがはじまる。
やめろよー やめろって ふざけんな
駆けつけても荒ぶる男子が群がっていてすぐには誰が当事者なのか分からない。 しかしその回はどうもやけに男子の面子が地味だった。 みんなの前で分かりやすく荒ぶる奴らはだいたいいつも決まっている。 自分(たち)にまあまあ自信のあるグループ。 ほんとの不良の喧嘩は教師がやってこないようなところで行われる。 しかし今回は 男子ばっかりでつるむ 女子とおしゃべりできないタイプのグループであった。 当事者の一人は昨年おなじクラスで、まあまあ話したことのある男子だった。 おとなしいが少しエキセントリックな彼は、廊下でもう一人の男子を睨みつけながらブルブル震えている。 これはやばい。 彼は両の拳をかまえて叫んだ。
「 オレの拳は凶器だぜ 」
あああああ やっちゃったー そう彼は空手を習っていて、決して素人と喧嘩をしてはいけないと教え込まれていたのに 我慢できず拳をあげてしまい、けれども警告を忘れなかったのです。
彼の名前は覚えていない。 なぜなら卒業まで彼は キョウキ と呼ばれ続けたから。 しかし今考えれば彼は実に正しい中学2年生であったといえましょう。
その8年後くらい。 三十代の男性がやはり三十代の男性に向かって、
「 お前を殺しておれも死ぬ 」
と言い放った場にも居合わせてしまいました。 ある劇団の運営に関して なんか革命とか裏切りとか信頼とか熱くなっていたときでした。
彼らは決してそんなことは言っていない と今でも否定するのですが わたくしは確かに聞いた。 その場にはわたくしとその2人しかおらず、 確かにわたくしは話を面白くするためにオーバーに表現したりすることもままあるので、 まるでこの話もわたくしの捏造のように思われがちですが、 絶対にそれはない。 だいたい貴方たち2人は日本酒でベロベロに酔っていたではないですか。
男組 は今でも大好きな漫画です。
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