UNDER CONSTRUCTION

エーサン小咄(続き)
2005年12月09日(金)

昨日、倒れた上司の見舞いに行った後、誕生日だってんで、同僚達とメシ食ってワインと一緒にカスタードクリームたっぷりのシフォンケーキ(しかもナッツがたんまりまぶしてある)食って、胃がもたれて皆でのたうち回って、そして今日。
人の誕生日で散々盛り上がって、二日酔いで同僚の一人は欠席、倒れた上司の穴を埋める気なんてさらさらない他の上司はとっとと社を出てしまい、そして今日健康診断があるのに、もりもりメシを食っていた別の同僚は、バリウム後に飲まされた下剤のせいで、トイレに行ったきり帰ってこない。
そんな閑散とした午後です。

月曜が締め切りの仕事の原稿は、まったく上がって来る気配もなく、担当者は行方不明で、一体どうしろと言うんでしょう。

おかげでずっと放置していた日記の小咄を仕上げました。

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とりあえず、逃げる。

この狭い船の中で一体どこに逃げるのかとか、そんな事はとりあえず置いておく、もうプライドも何もあったもんじゃない。逃げるが勝ちだ。




当たり前の様な顔で突然船に乗り込んで来た男の顔を、ぱかんと口を開け、たっぷりと10秒間、幽霊でも見たかの様な呆然とした顔で眺めた後、サンジはくるりと背を向けるとその場からもの凄い勢いで逃げ出した。

「逃げんなよ、コックさん」
後方甲板に向かって走るサンジの背中を、笑いを含んだ暢気なエースの声が追いかけてくる。
今朝方この島に着いて、皆は町に出ている。船には偶然にも見張りに残ったサンジ一人だった。
神様は俺に恨みでもあるんだろうか。よりにもよって、こんな最悪のシチュエーション。

そうだ、海だ。海に逃げよう。あいつも海なら追って来れないし。

階段を駆け上がり、そのまま縁を乗り越えて海に飛び込もうとしたその時、ごお、と熱風が背中に吹き付けて、気付けばエースが目の前に立っていた。
「つれねぇなあ、コックさん。何もそんなに必死になって逃げることないじゃん」
あの日から、毎晩の様にサンジの想像の中に現れてはとても人には言えない事をしてくれてる男が??まあ自分の勝手な妄想だが、その原因を作ったのはこの男だ??暢気な声で言う。
思わずかあっと赤面するサンジに、エースは「おや?」と意味ありげな顔をする。
「なあ、何、その過剰反応」
カッとして思わず蹴りかかったら、するりといとも簡単に避けられた。まさに過剰反応だ。恥ずかしさと居たたまれなさに頭を抱えて喚き散らしたい気分だ。
「会いたかったぜ、すっげえ」
バランスを崩したサンジの腰をあっさりと抱き込んで、意外な程に甘く柔らかい声で囁かれ、心臓が跳ねた。
頬に手が添えられて、顔が近づく。キスされるんだと、反射的に顎を引いてぎゅっと目をつむったら、予想に反して額に唇を押しあてただけで、エースの唇は離れていった。
想像してたこの男のキスはもっと熱かったのに。思わずパチパチと目を瞬かせて、素の顔で見上げるサンジに、エースはにやりと人の悪い笑顔を浮かべる。
カッと頬に血が上った。きっと、自分はもの欲しそうな顔をしていたに違いない。
何もかもお見通しだという顔で笑うエースが憎らしい。ククク、と喉で笑いながら、するりと髪を撫でられた。項を掴まれて、今度こそ触れそうなくらい唇が近づく。
「たまんねぇな、サンジ」
唇を擦り付けながら低く囁かれて、膝が笑い始めた。
深く唇を合わせられて、頭の中で何かがはじけた。必死でエースの腕にしがみついて、気付けば夢中でキスに応えていた。
たまらない。本当に。想像の中でエースがくれたキスの何倍もいやらしい。
「あっあっ、や、や…!」
エースの手がジャケットの中に入り込んで、シャツの上から背中をなで上げたかと思うと、今度は背骨の両脇を両手の爪を立てて軽く引っ掻く様にくすぐられて、サンジは悲鳴を上げて背を反らす。それがエースに体を押し付ける結果になって、すでに兆してしまっているそこに気づかれそうで慌てて腰を引こうとする。なのに、エースはそれを許さずに、サンジの尻の肉を掴むようにして、きつく抱き寄せられた。
「…ひっ…!」
押し付けられたエースの雄は、怖いくらいに硬くて、眩暈がするくらいに興奮した。擦り付けられる熱に、サンジのそこも爆発しそうなくらい熱くなる。
「ア、ア…アァ…!!」
恐ろしいことに、彼のそれに直接触れたいとまで思っている自分がいる。自分を求めて、どれほど熱くなっているか、どれほど硬くなっているか、この手と唇と、身体で確かめたい。
くたりと膝が崩れたサンジの腰を抱いて、エースも床に膝を付いた。そのまま二人、もつれる様に倒れ込む。甲板に仰向けに押し倒されて、日の光に目を射られ、くらりと眩暈がした。こんな真昼間から自分達は一体何をしようとしているのだろう。しかもここは港で、誰に見られるかもわからないというのに。
そんなことを考えて泣きそうになっている間にも、エースは悪戯にサンジの身体を撫で回す。気づけばシャツのボタンも外されて、くちゃくちゃになった布の中で、サンジはただ情けない声を上げ、彼の愛撫に震えることしかできなかった。
「あー…!アァ!ア!」
乳首に噛み付かれて、自分が上げたあられもない声が信じられない。きっと陸にまで聞こえたに違いない。
硬く尖った乳首を舌で舐るようにねっとりと愛撫する間、エースの手は、着衣の上からサンジのガチガチに張り詰めたペニスの上に置かれている。舌先でころころと凝った粒を転がされて、自分のペニスがぴくり、ぴくりと跳ねるのがわかる。エースはその反応を楽しむように、布の上からさわさわとそこを撫で回す。じわりと大量の先走りが溢れた。うずうずと腰を動かせば、濡れた下着がペニスの先にぬるぬると擦れる。もどかしい快感に、腰を突き出してエースの手にペニスを押し付けたら、急に乳首にきつく噛み付かれて、ペニスの上に置いた手を小刻みに揺すられた。
「あっ…ひ!…や、や…、あああぁぁぁぁ……んんん…!!」
ビクンビクンと身体を跳ねさせて、頭がぶっ飛ぶくらい気持ち良くイった。出している間中、少々乱暴にそこを揉みしだかれて、その手に爪を立てながら身悶える。
イった後も、いつまでも身体が跳ねておさまらない。それくらい気持ちよかった。出し切って落ち着くかと思いきや、下着の中でじっとりと濡れているそこはまだジンジンと疼いていて、もっと触れてこの疼きを収めて欲しいと思う。
「ん…は…んん」
エースが覆い被さってキスをしてくる。ご褒美の様に優しく舌を絡められて、甘えた鼻声が止まらない。一体自分はこの男と何をしているんだろう、そんな事がチラと頭を掠める。会うのはこれで二回めだ。しかも自分はこの男にあまりいい感情を持っていなかった。なのに、どうして触れられるだけでこんなに気持ちがいいのか。
「なあ、俺のこと、好き?」
じっと目を覗き込んで、やりたい放題やってる男が妙に可愛らしい事を聞いてくる。この目に見つめられて、嘘をつくことなんてできない。
「なあ、サンジ」
ひくっ、としゃくりあげて、もう取り繕う気力もないサンジは掠れた声で言った。
「…好き」
好きだから、もっと気持ち良くしろ、とそんな事をうわごとの様に口走ったら、嬉しげに笑った男が額にキスを落とす。
「とうとう言ったな」
「……エース?」
パチパチと瞬きをして、初めて見るような気分で目の前の男の顔を見つめる。
もしかしたら、この男も必死だったのかもしれない。それ程までに自分が欲しかったのかと思えば、この不遜で不躾な男がなんだか愛おしく感じ思えて来て、サンジは両腕を男に首に絡めてきつく引き寄せた。


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あれ、結局ただのラブラブ話に……。
ところで同僚がトイレから帰って来ません。
そろそろ様子を見に行った方がいいでしょうか。

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